第2話 猫って。
笹木さんに、お尻を蹴られて帰って、
ちょっと哀しく帰宅。
自宅に着いてから。。。
僕は、スマホを片手に、猫の前で、
開けたパンをかじりながら、
猫を調べていた。
なるほど。確かに、惣菜パンなんて、
猫には、塩分も、多すぎるし、
ネギとか、入ってたら、死んでたかも。
そう考えると、蹴られても、仕方ない。
そう思う、自分がいた。
「明日、もし会ったら、あやまろう。」
そう独り言をいいながら、猫の動画と、
猫にあげてはいけない食べ物。
逆に、猫の好きな食べ物などを、
ずっと、見ていた。。。
「子猫可愛い。」
また、独り言。
1日で、かなりの猫知識を、
習得した僕は、同じ学校に通う、
笹木さんに、会った時のために、
一人で、会話の練習を、したのだった。
次の日、学校に、登校した僕は、
何時もより、少し緊張しながら、
周りを見渡す。
不思議な事に、僕は、笹木さんに、
学校で、会った事や、見た事が、
よく考えたら、一度も無かったのだ。
笹木さんを見付けられないまま、
席に着き、小さくぼやく。。
「いないなぁ。笹木さん。。。」
横に座っている、眼鏡の女子が、
「お前、あたし探してんの。
橋本琢磨。キモいよお前。」
となりの、席の子?確か、鈴木さん?
だった、はずなんだけど。。。
でも、よく見ると、確かに、昨日の、
笹木さんに、似ていた。。。
「何だよ。」
「え、いや、鈴木さんじゃ?」
「変わったんだよ、今は、笹木。
めんどくさいから、学校じゃ、
特に、言ってないだけ。だから、
お前も、鈴木でいいよ。」
「あ、そうなんだ。なんか、
すみません。。。
昨日は、猫の事、すみません。
塩分とか、食べちゃいけない物とか、
知らなくて。。。」
「まぁ、あたしも、蹴ったのは、
やりすぎたと、思ってるから、
悪かったね。琢磨。」
「あのぉ。笹木さん、名前、
聞いてもいいですか?」
「さくら。つーか。琢磨、お前、
結構、馴れ馴れしいな。
あたしに、気でもあんのかよ。」
「勿論あります。」
頬杖をついていた、笹木さんは、
ズッコケて、僕から目を反らした。。
「さくらさんにも、あの、黒猫にも、
もう一度会いたいと、思ってました。」
「ああ、あたしの、クロの事ね。」
「でも、何で学校だと、
眼鏡してるんですか?」
「馬鹿か、目が悪いからだろ。」
「でも、コンビニじゃ、眼鏡、
してないですよね。」
笹木さんの、眉が少し動く。。
「お前、あたしの、ストーカーか?」
「いやぁ。昨日、偶然コンビニで、
見掛けて、綺麗で、可愛いと、
思って。」
「お前、良く、そう言う事、
言えるな。恥ずかしくないのかよ。」
前髪を、いじりながら、笹木さんは、
そう返した。。
「はい。本当の事だから、
全く、恥ずかしくないです。」
「はぁ。。。まぁ、琢磨、
お前が、悪い奴じゃなさそうなのは、
良くわかったから、良かったよ。」
「今度、クロにも、合わせて下さい。」
「まぁ、あの子、たまに、
外行っちゃうから、
そのうち、あの辺で、合えるよ。」
「その時は、
おやつあげていいですか?ちゃんと、
猫用の。」
「まぁ、猫用のなら、いいけど、
あげすぎないでね。かりかり、
食べなくなるから。」
「はい。」
僕は、笹木さんと、
仲直り出来た感じがして、
とても、嬉しかった。。。
同じクラス。元々鈴木さん。
今は、笹木さんは、勉強も、運動も、
そつなくこなす。
意識して、見てこなかったけど、
かなり、優秀な人だった。。。
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