同居する猫
月這山中
◆
同居している猫がいる。
餌をやっているのは主に母と兄なので、私の飼っている猫ではない。
それなのにクリーム色の彼は膝に乗ってくる。
以前も同居していた猫がいた。
母が溺愛し、兄と私は彼を絵に描いていた。私は彼を自分の飼い猫だと思い込んでいた。
病気を患い、最期の日は便所で血を吐いて死んでいた。惨い遺骸だった。
鯖虎柄の彼は私のことが嫌いだっただろう。
今いるクリーム色の彼は、私の飼っている猫ではない。同居している猫である。
彼の絵も描かない。
それでも膝に乗ってくる。
PCに向かう私の邪魔をして、気を引こうとしてくる。
今の同居している猫が死んだ時、また私は泣くのを忘れて後悔するのだろうか。
その時がくるまでわからない。
同居する猫 月這山中 @mooncreeper
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