同居する猫

月這山中


 同居している猫がいる。

 餌をやっているのは主に母と兄なので、私の飼っている猫ではない。

 それなのにクリーム色の彼は膝に乗ってくる。


 以前も同居していた猫がいた。

 母が溺愛し、兄と私は彼を絵に描いていた。私は彼を自分の飼い猫だと思い込んでいた。

 病気を患い、最期の日は便所で血を吐いて死んでいた。惨い遺骸だった。

 鯖虎柄の彼は私のことが嫌いだっただろう。


 今いるクリーム色の彼は、私の飼っている猫ではない。同居している猫である。

 彼の絵も描かない。

 それでも膝に乗ってくる。

 PCに向かう私の邪魔をして、気を引こうとしてくる。


 今の同居している猫が死んだ時、また私は泣くのを忘れて後悔するのだろうか。

 その時がくるまでわからない。

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同居する猫 月這山中 @mooncreeper

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