第9話 ひょうたん岩は自然が作り出したものなのです?
5月25日 10:02
俺があの日、車から救い出した佐藤 光正 (さとう こうせい)は、虎神から護られていた。
俺はそのことに気づいたのが、昨日だった。
虎神はみんなを護るわけではない。
特定の人を護り続ける…
その特定の人に当てはまる条件は、1番威厳でプライドが高くて、温厚、知的、生真面目と自分で思っているということ。
だから、頼りにできる人は…
俺は頼りにできる人に協力を求めるため、京佳の家に向かった。
告白の準備ができた?なぜ、そうなる?て、いうか今はそんなこと考える暇はないでしょ?
いや、あるかもしれないけど…
俺はそれはまずないと思います。
ピンポン
俺は京佳の家のチャイムを鳴らすと、頼りにしている人が出てくれた。
「こんにちは。佐伯です。お願いしたいことがあって来ました。」
名前で言え?気のせいだ。
何が?気のせいだ。
11:39
俺は頼りになる人に事情を言い終わったので、佐藤を探し始めた。
ん?呼び捨てしているけど、相手の方が年上だって?
安心しろ。対面で話すときはちゃんと「さん」付けはする。
「古俣さん。協力してくれる人は見つかりましたか?」
紀藤さんが手を振りながら、走ってきた。
「ああ、なんとか見つかった。」
本当に見たかったのか?いやいや、おまえらは見てたやろ?
ん?視力いや、そもそも目がないので?それはすみませんねぇ!
でも聴力はあるんじゃ?
俺がそう言うと、心の住人は黙った。
黙るなぁ!!聞いてるでしょ?
そっちだって、無視してくるときがある?
それもすみませんねぇ!!
「で、紀藤さん。そっちは見たかった?」
「いえ。残念ながら、まだ見つかってません。」
じゃあ、一緒に探すしかないな。
俺はしょうがないと言う言葉を表情に出さないように頑張って言う。
「一緒に探そう。」
「は、はい。わかりました。」
流瑠奈は頬を赤くして言った。
あの、これは紀藤さんと一緒に行く感じですか?やらかした?
京佳様がいるのに、他の女と遊ぶな!?俺は頑張って勇気出して、言ったんだぞ!?
仕方がなくない?酷いではないか…
「す、すまん。嫌だったら、別々で探そう。」
流瑠奈は慌てて言った。
「い、嫌ではないのですが!京佳ちゃんに誤解させてしまうので!別々で行きましょう!」
いきなりテンションが上がった気がするが、見なかったことにしよう。
俺と紀藤さんは分かれて、佐藤を探すことにした。
16:53
俺は集合時間の7分前にこの町の象徴とも言える佳桜駅前のひょうたん岩に着いた。
ひょうたん岩は噂では自然より生成されたものだと言われているが、このツヤの良さ、全方向の統一された大きさから見て、これは人工物だ、と思っているが、この噂を信じている京佳に話せば、お時間がお亡くなりになられていくので、やめておこう。
その3分後、松村様が降臨された。
「よっ。古俣、来たよ。京佳と流瑠奈は?」
俺はひょうたん岩のように、固まってしまった。
おい!!話せや!!では、ないよ。無理無理無理。気まずいって。
気まずくさせたのはおまえだろ!それはそうだけど…
「まだ俺だけだです!」
「ふぅーん。了。」
なんか日本語がおかしかった気がするが、気のせいにしましょう。
気のせいじゃねぇわ!!もう、いいでしょー。
やめよぉー。
そこから気まずい5分が過ぎると、京佳と紀藤さんが一緒に来た。
「恋太郎!!清華!!お待たせ!」
この感じは見つからなかったのだろう。
「京佳よ。今回は待ってなどない。なんで?だって?今、ちょうど午前17時だからだ!」
「へぇ。そうなんだねー。」
京佳は棒読みで松村様を見て言った。
「俺の存在がほぼ0化している!?」
「それは恋太郎が余計なことを言うからでしょ!?」
「酷いではないか!?俺は正しいことを言ったのに!?」
「だから!それが余計なの!!」
俺たちは周りの視線を気にしなずに言い合いをしていると、流瑠奈が仲裁しようと、割り込んできた。
「2人とも!ここは公衆の場です!視線を集めているので、ここではやめましょう!」
俺と京佳は同時に周りを見渡すと、周りにいた人の3分の1は何しているんだろうと見ていた。
「すみません!!」
そして、2人同時に謝る。
17:48
俺たちはファミレスに場所を変えて、明日の予定を組んでいた。
「私たちは流石に今日、学校休んで明日も休むはきついから、明日は放課後に探すってことでいい?」
それはそうに決まっている。
虎神の退治にために付き合ってもらっている以上、これより先は俺たちでどうにかするしかない。
「わかった。恋太郎はどうする?」
ここは格好つけるところだって?いや、なんて言えばいいの?
自分で考えろ?あなたたちはあんなことがあっても、いつも通りですね。
「俺は佐藤さんを探すよ。」
「よし!じゃあ、明日は佐藤さんを2人で見けだそう!!」
そして、食事がテーブルに運ばれてきた。
「チーズハンバーグを頼まれた方。」
「はーい!私です。」
相変わらず、京佳の声はデカいな。
ん?なんで、声に出さないかだって?言い合いに発展するから、我慢しているのだよ。
学んだんだな。そうだろ?
調子に乗るな?酷い…
「そういえば、京佳ちゃん。ひょうたん岩の噂があるじゃないですか。あれって、噂は本と…ん!?」
俺は左肩を掴み、清華は流瑠奈の口を手で抑えた。
京佳は昔からなんでも信じやすい人だ。
これを言ってしまうと、ショックを受けてしまう。
「ん!?」
流瑠奈はいきなり2人の行動に驚いていた。
俺と清華は流瑠奈にそれ以上は話すなを伝えるために、人差し指を鼻に当てた。
流瑠奈は全く理解していなさそうだったので、清華が事情を話すため、トイレに連れて行った。
「恋太郎?さっき、なんで、流瑠奈の肩を掴んだの?」
あ…詰んだ?理由(言い訳)を考えていない。
「あの京佳様、私(わたくし)は紀藤さんの左肩についていたほこりを払っただけです。」
「完全に掴んでいたけど?」
京佳は俺の考える時間を与えないように、俺が言った後、速攻で答えた。
マズイって!!助けてー!!
頑張れ?自分のやったことに対して、責任待て?
マズイマズイマズイ!!
「いやー。掴んだ方がほこりを取りやすいかな?と思ったんだけど、松村様が紀藤さんの口を抑えて、驚いて止まってしまったんだよ。」
すまない!松村様!これが言い逃れる最適解だと、判断した!
「ふぅーん。なら、死ね。」
あ、ガチギレしてる。詰んだ詰んだ。
「京佳ー。お待たせ。」
トイレで事情を話してきた清華と流瑠奈が戻ってきた。
ナイスゥ!!2人とも!!
俺はなんとかこの場では殺されてないことは確定した。
どっちみち殺されるんだから、意味ないだろ?いや意味だろ?ここでやられたら、確実に出禁になる。
「京佳ちゃん。ひょうたん岩の噂が正しいと思うのだけど、そうだよね?」
京佳は俺にとっていた態度と真反対になった。
「うん!そうだよね!」
ふぅ。なんとかなった、という顔を2人してしていた。
俺は清華に左手でグットを送った。
すると、隣にいた人たちが帰るのか立ち上がり、話していた。
「ひょうたん岩の噂って、実は嘘なんだって。」
「ええー。そうなの?」
「うん。専門家が言っていたよ。」
「嘘っ。信じてたのにー。」
あ…もう1つも詰んだ?
京佳は驚いて、目を見開いていた。
「え?」
「うん。「え」だよ。」
2人とも俺を見て、あんた、終わったよ、と顔で言っていた。
京佳は立ち上がり、右手で拳を作り、左手でそれを握りしめ、俺へと向かってきた。
「あの…京佳様??ここではやめませんか?」
「うん。ここではやらないよ。外でやるんだよ?」
俺は確実に殺されることを確信しながら、外へ向かおうとしたのであった。
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