第7話 学園のアイドル様は人脈が広いです

「あの京佳さん?足、捻っているのですね?痛くないのですか?」


「痛い!」


「そうですよね。俺もです。なら、背負い投げしない方が良かったのでは!?」


「…」


やっちまったね、じゃないのよ。


今は立場的に逆だろ。


グゥ〜


京佳はお腹の音が鳴り、お腹を抑え、恥ずかしがっていた。


「とりま、昼飯にしようか。」


「う、うん。」


13:46


「う〜ん!美味しかった!」


「うん。ここ、ファミレスな。」


「知ってるよ!それぐらいぃ!」


「俺はファミレスで美味しいって、言う高校生初めて見たよ。」


「いいじゃん!私が美味しいと思ったから、言っただけなのに…。酷い!」


「うん。酷かったな。すみませんでしたぁ!!」


「えぇ!?」


心の住人に何か言われそうになったので、反射的に謝ってしまった。


何がしたかったんだ?うん。その通りです。


「では、本題に入ろう。高校に行きましょ。」


「うん。」


俺たちは会計を済ませて、高校へと向かった。


放課後 16:23


みなさん。両親からさっき、連絡がきたのですが、警察から感謝状が贈られるそうです。


運転手を車から放り投げのに!?

あれが最善の判断というよりは躊躇なくやっていたから人殺し、だと!?


躊躇はあたったよ!?

虎神見えてなかったら、まずやってないし…


あぁー。そうですか。言い訳ですか。

すみませんでしたぁ!!


「恋太郎!!クラスの男子と女子の友達16人から全員OKもらってきたよ!!」


「おお、すごいな。じゃあ、あと4クラスよろ。」


「一緒にきてよ!」


「嫌です。こんな俺が学園の人気者さんの隣にいても…ぜひ、良き構図のために、お力にならせてください!!」


なんか隠キャがいきなり、学園のアイドルと呼ばれる京佳の近くに俺がいたら、なんか王者感あっていいな。


陰キャは黙って京佳様の影になっとけ?なんかいつも俺の精神殺しにきてませんか?


「まぁ、そんなに言うなら、いいけど…」


チョロすぎませんか!?

学園のアイドル、チョロすぎませんか!?


リピートすな、と言わないでぇよー。

強調したかっただじゃん。


「よし!決まりだな!行こう。京佳。」


俺たちは2年1組で男子20名と女子20名のクラス。

それがあと、6クラスから全クラス行けば、62人はいけるだろう。


「私たちもついて行ってもいい?」


誰こいつー。


なんで知らない?だって?気にしてないもん!

ガキになるな?酷いって!


「恋太郎がいいなら、いいけど…」


「俺はいいけど、住人が許すのか…」


「ん?住人って?」


「いや、なんでもないですよ!?全然、大丈夫っす!!」


「ん?まぁいいけど。清華!流瑠奈!いいって!」


「OKー。よろしく。彼…」


「清華!違っ!」


本当に元気だな。

で、京佳の友達から最後なんか聞こえたけど、京佳に口を塞がれたから、聞こえなかった。


なんだろうね?

ん?彼氏?いやいや。そんなわけないでしょw

あんなやつとそんな関係だと、思われているなら、死んだ方がマシですよ!?


いきなり口調変わるのでやめろ、と言わないでくださいよ。 


あの美少女に好かれているのが、羨ましい?俺はその逆ですね。


「で、古俣くんって、京佳と付き合ってるの?」


「ないない。あんなやつと付き合うわけないだろ?」


「あんなやつか。」


あんなやつとは何様だ!?いやいや、俺はあんなやつだから、あんなやつと言ったんだ!


理由になってない?それはそうだけど、心の住人なら、わかるやろ?


わからない?それはすみませんでしたねぇ!


少なくとも、俺はそんな目で見たことはない。


「すみません。自己紹介してもよろしいでしょうか?」


「ああ。よろしく。」


「私は同じクラスの紀藤 流瑠奈 (きとう るるな)です。ほら、清華ちゃんも。」


良かったな、じゃないと思いますけど…


友達いない俺から見たら、ご褒美?な、わけあるか!


「松村 清華 (まつむら せいか)。よろ。」


1人から嫌われている?なんか俺したか?


うん、したって?何をしたと言うんだ?


ん?京佳様のことをあんなやつといったから?

それで嫌われるのか!?


友達のこと、そういうやつは大抵嫌われる?

謝れってこと?

あ、はい。わかりました。謝ります。


もちろん、京佳様にも?かしこまりました。


俺は京佳が隣の2年2組の教室に入ると、声をかけた。


「京佳!この度は大変申し訳ございませんでした!!」


「えぇ!?ちょ、急にどうしたの!?」


「京佳。やっぱり、昨日、何かあったの?」


「いやいや。言った通りのことをしただけだって。」


「松村様にも大変不快な気分にさせてしまい、申し訳ございませんでした。」


俺は気づいていない。

2年2組と近くいた人たちの注目の的になっていたことに…


良かったな、とは?どういうこと?


え?みんなから注目されてる?なんで!?


俺が2人にいきなり謝ったから?え?

ん?どゆこと?


「ねぇ。恋太郎。こっち向いてね?」


「え?はい。」


俺は京佳に強烈なビンタされ、倒れた。


17:32


俺は保健室で目を覚ました。


なんで、俺、ビンタされたんだ?

また、なんかやらかした?


あ、はい。やらかしたらしいですね。

やらかした内容はわからないけど…


「恋太郎ぉ!」


何か、声が聞こえてくるのだが、きっと気のせいだろう。


カーテンが思いっきり開いた瞬間布団に潜り込む。


「恋太郎!って、バレバレだよ?」


「私は今、寝ています。」


「お!き!て!」


布団を剥がさせ、京佳に行くよ行くよ攻撃された。


「恋太郎!行くよ!」


行くよ行くよとは、行くよと言われながら、身体を手で激しく揺らされることである。


解説すな。

やられ続けられると、気持ち悪くなるから、やだんだよな。


「わかったから、やめてぇ〜。」


よし、終わった?


やって欲しいの?じゃないって、やって欲しくないわ!


白眼視しないでください。酷いですよ。

大勢対俺。勝てると思いますか?


思いません?あっさりと言っていますけど?


ん?京佳様に好かれている時点で勝ち組?

なわけないでしょ?


俺は起き上がり、ベットから立った。


「で、何人集まった?」


「えーと、クラスの男子20人と女子16人、2組の男子19人と女子8人、3組の男子14人と女子14人、4組の男子12人と女子13人、5組の男子13人と女子10人、6組の男子17人と女子11人、7組の男子13人と女子14人の合計194人だよ!」


「おぉ、流石はアイドル!なんて素晴らしい!人脈なのでしょう!!で、実際のところ来そうな人は?」


「え、あ、うん。実際のところは31人が悪ふざけぽく見えたのと、65人は友達から無理誘われた感じだったから、98人かな。」


「ギリギリだな。一応、俺も頼りになりそうなところからあさってみるけど、あまり期待はしないでくれ。」


5月24日12:45


その日、虎神が見えた山に集まったのは京佳の友達含めて146人。


流石と言いたいところだが、まずは退治からしないといけない。


「みなさん!!集まってくれてありがとうございます!!


俺は数えてみると、138人しかいない…


なんか足りなくないか?京佳から聞いた人数は146人だけど…


京佳様を疑うな?いやだって、人数が合っていないから。


「では!捕まったら、終わりの鬼ごっこを始まる前に!鬼さんの数を減らす儀式をしましょう!!そーの!!」


「鎮まれっ!!」

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