語尾に気をつけるだけで、リズムが生まれる
今回も抜粋です。
張本先生、なかなか良いこと言ってますね〜(元ネタは「ライトノベル……」からの抜粋なんですが汗)
「それでは第4回の講義、始めまーす」
第4回の講義が始まった。カンナは明らかに落ち着きのない様子で、足をトントンさせていた。
そして辺りを見回す。やはりパーマンの姿はなかった。
「……何人かの掌編を読ませていただきました。そこで今回は語尾についてワンポイントアドバイス。少しでも魅力的な文章にするために、同じ語尾の連続は避けましょう。例えば、〇〇だった。〜〜した。××みた。というように『た』ばかりで終わる文章、通常であれば問題ありません。しかし読ませる文章となると幾分単調な印象をぬぐえません。なので、こんな風に変えてみましょう。『光男が大事そうに抱えているもの、それはレナからもらったポーチだった。匂いを嗅いでみる、懐かしい匂い。その匂いを嗅ぐだけで、光男はいつだって幼少時代にタイムスリップ出来るのだった』。こんな風に、『た』、『みる』、『匂い(体言止め)』などを混ぜることによって文章全体に抑揚がつき、リズムが出ます」
(中略)
「……体言止めは文章に余韻を出すことのできるという重要な効果を持っています。一方であまりに体言止めが連続すると、単調な文章になってしまうので注意が必要です。ですが、体言止めをいくつも使った方が効果的な場面もあります。それがアクションシーンです。アクションシーンはスピード感が大事です。目にも留まらぬシーンで、『●●だった。刀を抜いた。左に避けた』などと書いてはせっかくの臨場感が台無しです。そこで、『一瞬の光、同時に左腕に走る激痛。斬られた、レオの刀が俺の左腕をもぎとっていた。嘆いている暇はない、すかさずレオと距離を取る。次は俺の首を狙うような視線、まだやられるわけにはいかない』というふうに臨場感やスピード感を出すことができます。はい、じゃあ今日はここまで」
「小説を書きたいわけじゃなかったのに」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890810291
第1章 講義:第4回より
元ネタ
https://www.amazon.co.jp/ライトノベルのための-正しい日本語-榎本秋/dp/4798048453
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