この二人がいれば

「で、ここからどうするの?」


「かなり遠いので疲れないように少しずつ進んでいこうかと思います!」


「ちなみに何日くらいとか……」


「1週間くらいですよ!」


 げ。そんな遠いと思ってなかった。体力はある方だが、歩くのはそれほど好きではない。しかも森の中も好きじゃない。



「ではとりあえず、簡単な拠点を作りますね! えいやっ!」


 ルナがそういうと、小さな家が出てきた。どうやらルナたちは魔法が使えるらしい。中は三人が寝られるくらいの広さだ。キッチンやお風呂などはない。


「あいらさまっ! たくさん歩いて疲れましたよね? お食事ご用意しますよっ! あ、ご飯の魔法は使えないので、少々お待ちくださいねっ!」


 まだそんなに疲れていないが、お腹が空いてきたのでありがたい。待っている間、ルナをもふもふしよう。


「えへへーふふふっ」


 とくにルナはもふもふするとこのように喜んでくれるので、常にもふもふしたくなる。



「あいらさまーっ! おまたせしましたぁー!」


 しばらくしてムーンが帰ってきた。どれどれ、どんなご飯かなーって、えぇ!?


「お魚たくさんとれました!」


 ムーンは元気いっぱいの魚を鷲掴みしている。魚は好きだが、ムーンがこんなにたくましいメイドだとは思っていなかった。


「ルナ、一緒にお魚焼きますよっ!」


「あいらさま、ちょっと待っててください!」


 二人は火を起こして手際良く魚を焼いていく。火加減バッチリ、味付けも良さそうでいい匂いがしてきた。慣れすぎて今までにも外で生活していたことがありそうなくらいだ。


「では! いただきまーす!」


「もぐっもぐっ! ……ってあいらさま、食べないのですか?」


「あ、ごめん。二人が可愛くて見惚れちゃってた……!」

 

「えへへ、あいらさまったらぁ」


「嬉しいです!」


「じゃ、私も食べようかな……。 ん!美味しい!」


「わぁ!よかったですっ!」


「よかったです!」


 シンプルな味付けだが、二人が作ったということもあって、とても美味しい。



「ごちそうさまでした!」



「暗くなってきましたね、そろそろ寝て、疲れをとりましょうか」


 小さな家は風を通さず、夜にしてはあまり寒くなく、快適だ。また、二人がいればなぜだか安心する。二人がいればこの生活も悪くないのかもしれない。私は二人のメイドに挟まれて横になった。二人とももふもふしているので暖かくて気持ちいい。誰かと眠るのは何年ぶりだろう。二人の温もりを感じながら眠りについた。

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なかなかボスを倒せないのでのんびりライフを始めようとした結果 西村いさな @a-san1122335

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