第8話

翌日


「ふわぁぁ~~眠い.......」


あの後発生した妖怪と遭遇した。妖怪の特性は大したことはなかったのだが数がそれなりにいて制圧に時間がかかってしまったのだ。おかげで家に帰ったのは12時過ぎ、就寝時間は2時過ぎだ......まぁ、民間への被害は0だったから良しとしよう


そんなことを考えながらうとうとしているとチャイムが鳴り先生が教室に入ってきた


「さて今日は、校外授業だ。外に出て妖怪を祓う。体操服に着替えて校門前に集合しろ」


「「「「はい!」」」」


・・・・・・・・


「そういえばさ!叉江守って妖怪祓った経験あるの?」


バスで移動中隣に座っていた天城が興味本位か大樹へ訪ねる


「あるよ」


そう大樹はこの夏休み間形代にみっちり鍛えられ一般の退魔士以上の実力を身に着け1級を倒すまでに至っていたのだ。その訓練は想像を絶するもので口に出したくないレベルだった。


「え!あんの!?」


それに反応したのは他の生徒と話していたはずの大樹の後ろに座っていた檜花だった。


「わっ!急に後ろから大声出すなよ、ビックリしたじゃないか」


「悪かったって、それで!何級の妖怪祓ったんだ?」


檜花は悪びれる様子もなくさらに詰めよってくる。


「はぁ....えっと確か10~8級の妖怪が何体かと4級を5体と1級を1体....って感じかな」


「え....」  「え....」


その瞬間先ほどまで騒がしかった車内が一気に静かになった。まぁ、それもそのはず本来一介の高校生が4級以上の妖怪を祓うなんてでたらめな話があるわけがない一般的に


「いやいや....流石にお前それは嘘だろ。なぁみんな!」


「そうそう、そんなデタラメな嘘つくもんじゃないよ」


その言葉に周囲の生徒も笑い出す始末だ


「そんなに信じられないならその証拠を見せようか?」


「気にすんなってつい一か月前まで一般人だった人間にそんな事できるわけないんだから。本当は何級なんだ?」


「そうよ、強がらなくていいから....別に1年と半年の差なんてすぐ埋まるわ」


笑い続ける檜花、さらに同情するように慰めてくる天城ときた。ありえないことだとしてもこの反応はむかつくな.....良しアレ見せるか


大樹は徐にポケットから電子端末を取り出す。これはライセンスデバイスと言って退魔士としての身分証のようなもので、持ちぬしの退魔士としての階級を記されている。その他にもサポート機能が満載なのだ。


「ほ、ほんとだ.....ちゃんと倒されてる....ん?」


「ほ、本当だった.....ん?」


電子端末を渡すと二人は食い入るように画面を見つめある項目に目が止まりそして絶句する。


「おい、二人ともどうしたんだよ!早く俺たちにも見せろよ!」「「「そうだそうだ!」」」

黙りこくった二人に電子端末に書かれている内容が気になるクラスメイトの一人がが急かすと他も同調して周囲が騒がしくなる。


「こ、こここ...ここに1級の...鬼って書かれてるんだが....」


檜花の一言に今度はクラスメイト全員が絶句する。そんなことはお構いなしに大樹は答える


「あぁ、それね...いや僕、その時の記憶がさっぱりなくてさ....ちゃんと意識のある状態で祓った妖怪だけを言ったんだ」


「いや、お前それがどれだけの事か理解してるのか?」


檜花は....いや周囲を見れば全員が化け物でも見るかのような目で僕を見てくる


「いや、たまたまなんだ。本当に運みたいなものだから」


「「「「「「運でどうにかなるわけないだろ!!!!!」」」」」」


「うわすごい、全員綺麗にハモッた.....」


「言ってる場合か!!なんでお前この高校に編入してんだよ....普通に退魔士として働くべきだろ」


「色々こっちにも事情があるんだ」


「もう、お前が怖くて仕方ないよ...」


「それでさ...非常に申し訳ないんだけど」


「な、なんだよ....」


「これからもたまに仕事で欠席することがあるからその日の授業の内容を注ぎ来た日にでも教えてほしいんだ」


そう、僕はかなり異例ではあるが退魔士協会から準2級のライセンスを与えられてたまに依頼が来るのだ。その中には長期間かかるものもあるのでそのたびに授業を抜けていたらシャレにならない。


「げぇ!.....俺は無理だぜ!授業中よく寝るからな!!」


大樹の言葉にいの一番に反応したのは檜花だった。心底嫌そうな表情をしながら全力で拒否してくる。


って、それは果たして良いのか?


「自慢げに言う事じゃない!せんせー檜花が全然反省してませーん。早急に処罰すべきだと思いまーす!」


「そうだな....檜花!」


「は、はい!」


「いい機会だからそろそろ親御さんこの件報告しようか」


「ゲゲッ!?そ、それだけはご勘弁を~」


檜花の発言から始まりそれに反応した天城が先生へと告げる.....大樹はそんな一連の長れを他のクラスメイトと共に笑いながら心の中で呟いた


リア充め爆発しろ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

毎日 07:00 予定は変更される可能性があります

あの日、妖刀を手にしたことを僕は後悔する 神無月 瑠奈 @lunabenrina

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ