第3話

ズダァーン!


突然の破壊の爆音ともの凄い揺れで目を覚ます


「な、なんだ!?」


刀を手に急ぎ外へ出る。蔵から出るとそこは真っ赤。先刻まであった何もなかった家は今や、ごうごうと炎に包まれていた。しかし、大樹の視線はそんな違うところへ行っていた。


「キキキキキッ!」


ニタァーと口を三日月に不気味な笑顔をした。一軒家を優に超えるその巨体の妖怪はまるで童話に聞く鬼のような見た目をしていた。


鬼は手には頭から血を流し、体をぐったりとさせていた。そして、その妖怪は大樹を見ながらその父を喰った


「あ、あぁ....アアアアアアア!!!!」  プツンッ


その瞬間大樹の中で何かの糸が切れた。唯一の家族を目の前で食われたことがトリガーとなり色々な感情が溢れだし、その視界がブラックアウトした


【???視点】

「うひゃ~、こりゃひでぇ~....この惨状じゃ、生存者もいないっすね」


薙刀を手に持った男が荒れ地と化した場所に立ち辺りを見渡す。もはやそこは以前の面影はなく、禍々しい妖気が立ち込め常人が入れば1分に満たない時間で気がおかしくなるほどだ。


「おかしい....反応が2つとも消えた?」


眼鏡をかけ、周囲に人形を浮かせた男はスマホのような物を見ながらつぶやく。


「!!逃げたの?」


「いや、この感触は祓われた」


「はぁ?じゃあ、誰かが俺たちより先に来てそいつが妖怪を祓ったって言いたいんっすか?」


「そういうことだ」


「じゃあ、そいつは誰なんすか?」


「おそらく妖怪だ」


「それこそ噓っすよ、妖怪が妖怪を祓うなんて前代未聞っすよ」


「あぁ、だから私も驚いている」


「春風さん!形代の兄さんが馬鹿言ってるっす!どうにかしてください....って、聞いてますか?」


「あそこ....」


巫女服を着た女は視界を覆うほどの妖気が立ち込める場所を指さしそう呟く


「はい?あそこって何かあるんっすか?....」


「生命反応....まだ、人が生きてる」


「はぁ!?じゃ、じゃあ早く救出しないといけないじゃないっすか!なんでもっと早く言ってくれないっすか?」


「妖気が邪魔して探知が微妙に阻害されるの」



「兎に角、人命優先っすよ。僕と形代の兄さんで救出に向かうんで周囲の警戒頼んます!」


「わかった」「了解した」



その後、無事救出された少年の傍に刀は無かった。





〈死者2名、生存者1名.....壱級妖怪『鬼』






☯☯☯☯☯☯

妖怪階級:壱拾級~


妖怪:人の負の感情から生まれた存在。負のエネルギー量から危険度が11段階に分けられている。人の負の感情を吸い取り成長する

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