深崎 玲牙の一日「朝」

深崎ふかさき 玲牙れいが。この春、浅海高校に入学した万人に陰キャと言われるような風貌ふうぼうをしている青年である。


黒髪をボサボサにしていて、目は糸目。瞳孔は見えない。この物語は、そんな彼と、

彼を取り巻く日常をえがいたものである。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


僕は学校が嫌いだ。


いや……これは語弊ごへいがあるな。正確には、今の学校のが嫌いだ。


いや、普通に仲のいい親友も一人いるんだけどね?


その親友一人に対して所謂仲の悪い?敵対している?そんな同級生の数、認識できる数だけでざっと40人を超えている。


僕は平穏な、誰からも注目されないような、そんな高校生活を望んでいたのに……


そんな感じになってしまったのには理由がある。


「おはよう、玲牙くん。今日も元気なさそうだね、大丈夫?」


この人に「あなたのせいで大丈夫じゃないです」って言って針のむしろにならないのであれば普通にそれで済むのに……でもあれか、針の筵にならない≒今のこの状況はない、なのか。


ホントになんでかなぁ、なんでこの人はこんな陰キャに関わろうとした、しかも好意を向けているのだろう。


僕からすれば本当にいい加減にして欲しいのだけれど。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


彼女の名は風実かざみ 千春ちはる


浅海高校一年生、玲牙とは同級生で同じクラスであり、入学後早々に学年のマドンナの座を手に入れる美人だ。


入学後、大体二か月たったある日から、何故か玲牙に付きまとうようになった。(玲牙視点の話。)そして、傍から見れば学年のマドンナが何故かよく分からない陰キャに絡んでいるので、面白くない状況である。


この物語において、彼女はヒロインではない。別に負けヒロインでもない。そもそも土俵に立てていない。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


告白もされていないのに振るなどという行為は周りの人間から「え、何この自意識過剰陰キャww」などと笑われることは必至なので、絶対にご法度である。


まぁ告白されてから振る、ということをしても「なんだコイツ、学年のマドンナを振りやがったぞ!」と結局針の筵になるためほぼ詰んだ状況なのだが。


一見前者の方が針の筵にならなく、愚者に映るだけなのでさっさと振ったほうがいいと思われそうだが、残念ながらこの風実さんは僕に向けての好意を自覚していないのでこちらから振った後に告ってくるとかいう前者と後者の欲張りセットという可能性があるのでダメなのである。


あと風実さんのようなポジティブの人には振られたことを理解させても時間が経てば「きっと私を好きになってくれたはず!」とまた告ってくる可能性もあるので非常に完全に振りきるのが難しい。(玲牙の偏見)(大体あってる)


「おい、千春。何故また彼に絡んでいるんだ?」


お、来た。


この人は僕にいい印象を持っていないが僕としては毎度風実さんと言い合って僕が逃げる時間ができるから嫌いではない。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


彼の名はしろがね らん


千春の幼馴染である。そして彼女に好意を抱いている。が、こちらもまた千春に対する好意を自覚していない。しかし独占欲が強いのか、千春が話しかけている玲牙が気に入らない。


また絵に描いたようなイケメンであり、入学後の交流会で友人を数十人作るほどのカリスマ性、その交流会のプログラムにあった球技大会で圧倒的なまでのスポーツ力(運動神経という言葉を使いたくない。)を見せた。では勉学ではどうかというと入試で首席を取って入学していることが発覚した。


文武両道のイケメンである。なお、千春は別にコイツのことを単なる友達としてしか見ていない。哀れよのぉ~


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


二人が言い合っている隙を見て、自分の席に静かに向かう。あと十分で始業のチャイムが鳴る。それまでは寝たふりでもして過ごそうか。生憎と今日は瑠唯るいも休みだし。


にしてもなんであいつ休みなんかね。


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どうも皆様、こんにちは。


逃げた人ことSCⅫです。これでサソリと読みます。


ということで新作となります。前作は突然連載STOPとなってしまい、申し訳ありませんでした。


ということで、今作は小説投稿サイトで書く初めての主人公の一人称視点が地の文の投稿作品となります。(実はPixivにあったりします)こっちの方が書きやすいかもしれないな、なんて気持ちで始めました。


この作品では新キャラの登場の度に◆◇~◆◇で僕視点でキャラの説明をしようと思ってます。もしかしたら、くどいかも?と思っています。少なくとも3話はこのままなので見辛かったらすみません。


3話から先は、一度それまでの人物紹介を挟んで不定期投稿となります。


それまでは一日15時に出そうと思います。では。

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