第104話 魔王の島へ
「だいぶ長いですなァ~」
ロリアが先頭を歩いてくれている。
左右には水の壁。
壁の中には魚が見えるし……
他にも
10メートル超えの白い巨大海蛇……シーサーペント。
船を大きく超える大きさの灰色の化け物蛸……クラーケン。
10メートル超の巨大鮫……メガロドン。
身長10メートルを超える青い半魚人……シージャイアント。
手足がヒレになってる10メートル超えの緑色の巨大ワニ……モササウルス。
海の王者の展示会だ。
連中はこっちを伺ってる。
チャンスがあれば餌食にしてやろうという視線で。
……ここを軍隊を通すのは無理かもな。
なんとなくだけど、そう思った。
軍隊を通すと潰される気がする。
直感だけど。
……かくいう俺たちも、潰される恐怖と戦いつつ歩いてるわけだし。
一応神器の力で道が開けたわけだけど、これが向こう岸に着くまで維持される保証はどこにもないもんな。
水棲の魔女の知識が間違ってる可能性だってあるんだ。
……何で三種の神器の力で魔王の島までの道が開けるのかも分からないし……
「こんなときに不謹慎かもしれないが」
そんなことを考えながら歩いていると。
リリスさんが
「……なかなか圧巻だと思う。海の王者と呼ばれる特級の魔物たちをこの間近で見れるというのは……」
うん……まぁ。
それは分からんでもない……
俺もちょっとそう思ったし。
ここで俺はセリスに目を向ける。
彼女は海の中に興味があるらしく、チラチラ見ている。
……セリスも気にはなるんだ。
まぁ、姉さんだしな。
すると
「見えてきましたわ! 皆さん!」
ジェシカさんの鋭い声。
結構歩いたもんな。
2~3キロくらい?
崖が見えて来た。
向こうの島の絶壁か。
「ではワッチが」
身軽なロリアが率先して崖を登っていく。
ホント、彼女は戦闘以外は何でもできるな。
そこは素直にすごいと思う。
スルスルと登っていく。
まるで家の階段を上がるように。
瞬く間にテッペンに達し。
「上がって来てください~」
ザっと。
そこからロープを下ろしてくれる。
俺たち、全員その程度のものを登る体力はあるから。
全員そのロープを使って、崖を登った。
「姉さん」
そして崖登りが最後になったセリスに手を差し伸べ
手を貸して一気に引き上げて、全員上る。
こうして全員、魔王の島に入ったんだ。
その瞬間、海が戻った。
割れていた海が元のようになり、再び越えられない魔の海になる。
「……帰るときはまた、勇者様が神器を3つ所有すればいいんでしょうか?」
ジェシカさんの呟きに、まぁそれしかないし。
そうでなかったら困るよなと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます