第40話 油圧ショベル
油圧ショベルのカスタマイズよ。
まずは名前付けてあげないと。どうしようかな?そういえば砕石のおじさん達は油圧ショベルを見てドラゴンだって騒いでたわね。
それならいっそドラゴンっぽい強そうな名前にしちゃおう!
「それじゃあ……行け!重機械龍ドレイク召喚!正面突破よ!」
銀の壁の中から油圧ショベル改めドレイクくんが出てきた。
「うんうんカッコイイよドレイクくん!それじゃあカスタマイズしようね」
眷属になったドレイクくんを確認するためステータスを見てみた。
名前:エリーゼ
種族:人間
LV:31
生命力:653
精神力:723,246
体力:221
知力:365
敏捷:208
器用:171
気力:459
魔力:1,792
状態:正常
眷属:まゆげちゃん、クリフト、エト、ゼロス、ブルータス、かけるくん、ドレイク
技能: 重機LV3、格闘LV1、棍術LV1、盾術LV1、魔力操作LV4、身体強化LV4、恐怖耐性LV2、探知LV3、交渉術LV2、地図LV4
受動技能:精神力回復力増加、精神力回復量増加、反応速度上昇、ステータス異常耐性、幸運、努力、根性
称号:努力人、投資家、救命士、おじさんキラー
またレベル上がってる!なんで?私全く戦闘とかしてないのに。
この世界でレベルを上げるのは魔物を倒してその生体力や魔素と呼ばれる魔導力を自分に取り込むからだと言われてる。
だからスライム1匹倒したことない私のレベルが上がるのはおかしいのよ。
でも上がってるのは確かなんだよね。ミノルおじさんなら何か知ってるかな?
あとで聞いてみましょう。今はドレイクくんが先。
眷属カスタマイズでドレイクくんをポチっとしてみる。
『ドレイクカスタマイズ
定格荷重変更
操縦席仕様変更
クローラー仕様変更
双腕仕様変更
カラー変更
※アタッチメントは個別のステータスから変更可能』
そ、双腕!?なんのための!?
う、うーんとりあえず見なかったことにしようかな?それでなくてもドラゴンに見られちゃうドレイクくんが双頭のドラゴンと勘違いされて討伐されたらたいへんだもの!
それにきっとワーキングポイントも高いしね。ちょっと見るだけ見てみようかしら?
双腕…ポチっと。
『双腕仕様変更 1億8,000万wp(現在の定格荷重を制御する出力では変更不可)』
たっ高っ!!今なら払えないわけじゃないけど、これは無駄遣いな気がするわ!
だいたいなんに使うのかもよくわからないし。土を掘るなら腕が1本あれば充分のはず。
だから今は必要ないと思う。でも……でもいつかやってみたいわね。だって、双腕の油圧ショベルってなんだかロマンがあるもの。
現実に戻ろう。
13トンの0.5立米バケットから一気に37トンの1.4立米のバケットにチェンジ、使用ワーキングポイントは驚きの2,400万wp!でもやっちゃう。
続いて操縦席をキャビンに変更。ドアは両面とハッチバック、パワーウィンドゥを付けたわ。当然拡声器も装備。
かけるくんの時もブルータス様の時も84万wpで変更できたのに、今回は92万wpかかる。両開きドアに変更する使用ポイントが12万から20万に上がってたの。
それと、よく分からない変更を見つけたわ。
『キャビン昇降設備追加 250万wp』
どういうことなのかな?乗り降りがしやすくなるのかな?
分かんないけどやってみましょ。ポチっと。
次はクローラーね。ワイドタイプで320万wp追加ですって。ポチっと。
当然カラーチェンジもするわよ!かかるワーキングポイントはどの重機も10万wpです。
えーっと、全部で3,072万wp……本体より高い!
でも、ポチっとな!
私が決定を下すと、すぐにドレイクくんの周囲を銀の壁が囲んだわ。
ガコォォン!!ガコォォン!!
すごい音がしてる。大丈夫?
なんだか壁が揺れてるようにも見えるわよ!?
そうしてるうちに音と揺れが止まって壁が崩れはじめたわ。中から現れたのは巨大なドラゴン!
こ、これは巨大過ぎる!一体何を壊せばいいのよ!?
元の高さはキャノピーの天井まで2メートルくらいだったのに今は3メートルをはるかに超えてるし、長さは腕をたたんで降着させた状態で10メートルを越えてるし。
色は綺麗なエメラルドグリーンになったから高貴なドラゴンになったんだけどね。
正直ここじゃ使えないわ。崖が崩せちゃう!でもせっかくワーキングポイントを使って手に入れたんだから使ってあげたいわ。
そうだ!たしかアタッチメントがあるわよね。それによってはなにか使い道が出るかもしれない。
私はドレイクの眷属ステータスを触りアタッチメントのページを開いてみたわ。
『眷属:ドレイク
現在のアタッチメント:バケット
種類:
バケット(選択中)
mp=200 土砂を掬って移動することができる。
スケルトンバケット
mp=300 土砂等内容物をふるって選別する事ができるバケット。
グラップル
mp=2,500 油圧で開閉する爪を利用する事により対象を挟んで移動、選別ができる。
ブレーカー
mp=2,500 先端のチゼルが連続打撃することによって対象物を破砕する事ができる。
クラッシャー
mp=1,500 油圧で開閉する爪を利用し挟む力で対象物を破砕する事ができる。
パクラー
mp=1,000 油圧で開閉する爪を利用し押し潰す力でクラッシャーよりも細かく対象物を破砕する事ができる。
オーガ
mp=1,000 杭の穴を掘る事ができる。
ベールグリッパー
mp=2,000 油圧で開閉する爪で対象物を掴み移動する事ができる。グラップルと違い対象物に傷を付けにくい。
レーキ
mp=200 多数の爪で土を掻いたり地表の枯葉を集めたりする事ができる。
草刈機
mp=5,000 草を刈るアタッチメント。ハンマーナイフ型とロータリーモア型の選択可能。』
多!めっちゃ選べる!
どうやら巨大なドレイクくんは建物とかの解体なんかに向いてそうね。あ、だから双腕の仕様があるのか、なっとく。
ならいっそのこともう1台小さな油圧ショベルを購入して、ドレイクくんには広大な工事現場や解体専門になってもらったらどうかな?
ついでに一念発起してドレイクくんを双腕にもしちゃお。ワーキングポイントには余裕あるし、こういうのは勢いが大事よね。
まずは元のドレイクくんと同じ2,000万wpの13トン油圧ショベルを交換ね。当然カスタマイズはしておくわ。
でもこの子には操縦席昇降設備はいらないわ。砕石山でも使わなかったから。というわけで追加ワーキングポイントはカラー込みで102万wp。
妥当です。ドレイクくんがおかしかったんです。
そうだ!お名前も付けてあげよう。
うーん、おっきい油圧ショベルがドレイクくんだから、小さい油圧ショベルは小さなドラゴンのドラゴニュートからとって『ニュート』にするわ。
「よーし呼び出すわよ!行け!ニュートちゃん召喚!正面突破よ!」
ドレイクくんと同じ銀の壁の中から現れたのはエメラルドグリーンで少しスマートな雰囲気の油圧ショベル、ニュートちゃん。
胴体には『E05HE2 NUTE』の文字が光ってる。
そしてお待ちかねのドレイクくんには1億8,000万wpをかけてもう一本腕を生やしてあげちゃう!
『3億4,000万ポイントあったのにこれで残り9,000万ポイントか……』
ブルータス様に約1,200万wp、フォークリフト2台に3台分のカスタマイズで約900万wp、かけるくんはカラーチェンジのみだから端数だとしてニュートちゃんの交換ポイントが約2,100万wp、ドレイクくんのカスタマイズが約3,100万wpか。合計約7,300万wp。
これにドレイクくんの腕を増やして1億8,000万、合計で約2億5,000万wp……さすがに散財よね。
「まあ、無駄遣いしたわけじゃないわ。元々今回の砕石山の事は特別ボーナスみたいなものだしね。重機がたくさん手に入ればそれだけいろんな仕事ができるし、みんなのお役に立てるならとても幸せだわ」
ほぅ、と溜息を吐いてからステータス画面をポチっと押したわ。
「よーしそれじゃあ……行け!荒ぶる双頭のドラゴン!重機神龍ドレイク召喚!」
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