第32話 レベルアップとポイント稼ぎ

 あまりカバルの街に近付き過ぎると街の住民がびっくりしちゃうかもしれないからここで引き返すことにしたわ。


 マールからカバルの街まではおよそ20キロメートル。このまま道の左側を削りながら帰ることにしよう。


 時速15キロくらいで走れるから2時間掛からないくらいで帰れるわ。


 ミノルおじさんに教わったとおり排土板を左に5度程傾けて少し道に角度をつけようとしたんだけど、排土板ずっと傾けてると斜面に合わせてブルドーザーも傾いてしまいどんどん角度が深くなることが分かりました。


 そんな感じでミノルおじさんとブルドーザー2人乗りのドライブを楽しみました。マールに着いたら流石にもう夕方。


「おっ、帰ってきた。お帰りエリーゼ嬢、ミノルさん」


 隊長さんが門の外で待ってたわ。


「ただいま帰りました!はい商業ギルド証です」


「俺は市民証だな。ほれ」


「ははは、確認したぞ、結構時間掛かったな。どの辺りまで進んだんだ?」


「カバルの街のすぐ手前までです。さすがにカバルの街には行っちゃダメかなって思ったから手前で引き返してきたわ」


 私の返事に隊長さんは口をぽかんと開けちゃった。


「おいおい衛兵の旦那、やってるのはあ・の・嬢ちゃんだぞ?それ位なら余裕で出来るのさ」


「いやいやいやいや何言ってんだ?無理だろ?あ、さっきのブルドーザーっていう重機でカバルまで行って帰ってきたって事だな。うむ、理解理解」


 隊長さんは自分で納得できる仕事量を自ら設定したみたい。ちゃんと報告しなきゃ。


「丘を7つ削って来ました」


「おい!誰か馬を引け!ちょっと見てくる!」


ええええ、信じてないんだぁ。隊長さん自ら出掛けていっちゃったし。まあ確認したいっていうんならご自由にどうぞ。


「流石に今ここで帰ったら後でグチグチ言われそうだ。嬢ちゃん、俺はここで少し待つがアンタはどうする?」


「一緒にいていいですか?ステータスとか確認したいし」


「分かった。俺はその辺の衛兵と話してくるから聞きたい事があったらこっちに来て聞きな」


 ミノルおじさんは私の頭をポンポンとしてから衛兵詰所の方に行ってしまった。


 えへへ、頭ポンポンされちゃった。うれしいな。


 ミノルおじさんはポンポンってするよね。モジャおじさんはガシガシするし、隊長さんはすっごく優しく撫でてくれる。


 どれもうれしい、甲乙つけ難いわ。もしかしたら私ってば頭を撫でられたらなんでもいいのかもしれないわね。チョロいのかな?


 うーん、まだ11歳だから仕方ないことにしとこ。



 マールの門の近くに椅子替わりになりそうないい感じの石があったからそれに腰掛けてステータス画面を出してみる。


 あ、やっぱりレベル上がってる。



 名前:エリーゼ

 種族:人間


 LV:24

 生命力:472

 精神力:527,689

 体力:180

 知力:245

 敏捷:179

 器用:141

 気力:307

 魔力:1,274

 状態:正常


 眷属:まゆげちゃん、クリフト


 技能: 重機LV3、格闘LV1、棍術LV1、盾術LV1、魔力操作LV4、身体強化LV3、恐怖耐性LV2、探知LV3、交渉術LV2、地図LV3


 受動技能:精神力回復力増加、精神力回復量増加、反応速度上昇、ステータス異常耐性、幸運、努力、根性


 称号:努力人、投資家、救命士、おじさんキラー



 あらぁ結構いろいろと数値上がってるわね。


 なんかステータスの上がり幅が異常に大きい気がするわ。レベルひとつ上がる度に20くらいはポンポン上がってる。


 普通は1とか2くらいだって冒険者のおじさんが言ってたもの。


 重機に乗ってたら特別ボーナスがはいるのかな?強くなれるのはありがたいけど私普通の女の子ですから。


 普段の生活は自重することにしよう。


 さて、スキルもちょっとずつレベル上がってるわ。新しいスキルも増えてるし。


 あっ!重機のレベルが上がってる!やった!きっとブルドーザーを手に入れたからだわ。


 購入ラインナップが更新されたかもしれない、見てみよう。



『重機購入画面 LV3ラインナップ


 20トンラフテレーンクレーン 5,000万wp(New)

 4.9トンラフテレーンクレーン 1,800万wp(New)

 13トン油圧ショベル 2,000万wp

 7トン油圧ショベル 1,000万wp

 4トンフォークリフト 750万wp

 2.5トンフォークリフト 280万wp

 6トンブルドーザー 1,500万wp

 3トンブルドーザー 850万wp

 12トンモータグレーダー 2,500万wp(New)

 3トンホイールローダー 450万wp

 2トンホイールローダー 380万wp

 660ccリフトダンプトラック 150万wp

 660ccテールリフト付きトラック 150万wp

 660ccダンプトラック 150万wp

 660ccトラック 100万wp


 550ccトラック(中古)…品切れ中


 特殊建機(New)

 ロードローラー 150万mp(5days)

 コンクリートミキサー車 100万mp(5days)

 コンクリートポンプ車 100万mp(5days)

 パイリング車 150万mp(5days)

 ボーリング車 150万mp(5days)

 トンネル掘削機 400万mp(5days)

 散水車 20万mp(5days)

 バキュームカー 20万mp(5days)

 人員輸送用バス 10万mp(1day)


 燃料 1ℓ 40mp(魔力操作LV4割引)


 眷属カスタマイズ (New)

 フォークリフト用備品


 現在のwp=19,726,831 貯蓄mp= 4,847,761』


 めっちゃ増えてる!『クレーン』!?なにそれ?めっちゃ高い!


 他にも『モータグレーダー』とか特殊建機とかあるわ。もう重機って何を示すものかよく分かんなくなってきちゃったよ。


 えーもうこの際だから自走できる働く車は重機ってことでいいか。誰にも迷惑かけてないし。


 ちなみに今回手に入れた特殊建機の借用は精神力で数日間借りれるようだわ。パイラー車とか持ってても微妙だしいいかもしれないね。助かる。


 どんな重機もみんなが幸せになれるように使うからOKよ。



 さて、重機はミノルおじさんと相談しながらおいおい考えよう。眷属カスタマイズとかは私じゃいい知恵が浮かばないからね。


 あと考えなきゃいけないのは、ワーキングポイントよ。


 さっきブルドーザー買ったから残り300万ポイントくらいしかないはずなのに……なぜ2000万弱まで貯まってるの!?


 おかしい!


 やったことといえばブルドーザーで土を削ったことくらいしかないから大量ワーキングポイント獲得はブルドーザーのせいね。


 1600万くらい溜まってるでしょ?1600っていう数字にちょっと思うところがないでもない。


 だって今日のリザルトを見ると掘削土が16,754,322kgになってるんだもの。


 ということはブルドーザーのワーキングポイント計算は、きっと削った重量1キログラムに対し1ポイントなんだと思う。


「はぁ……」


 私は思わず大きなため息を吐いちゃった。最初に比べたらとんでもない量のワーキングポイントを獲得してる。大丈夫かなぁ。


 でもまあなるようにしかならないか。とりあえずこのままここで隊長さんの帰りを待つことにしようっと。

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