第2話 少女とネズミと時々仔猫
いつも通りの昼下がり、屋根の上で足をバタつかせながら心地良い風を浴びていた少女は、遙か上空から飛来してくる物体を発見した。
「見て、プレデター。新入りだよ。また椅子が増えちゃうね」
少女は肩に乗っているネズミに話し掛ける。
しかしすぐに困ったように頭に付いているネコ耳の飾りを揺らした。
「うーん、この前たくさん椅子は増えたからもう要らないよね。でもD・I・Yはきっとまた椅子を増やすよ」
そう言うと少女は置いていたかなづちを手に取ってひょいっと立ち上がった。
「今回は競争に参加しようか。D・I・Yにソファが欲しいって言わなきゃだし。そういえば床屋も染料が足りないって行ってたから来るだろうね」
少女は飛ぶように隣の屋根へ。
腰に巻いた紅い洋服を猫の尻尾のように揺らしながら。
「行こうプレデター。私たちの快適な暮らしのために。それに今回の殺人鬼はもしかしたら私の疑問に答えをくれるかもしれないしね」
殺しの病が蔓延る町を一人の少女とネズミが駆ける。
彼女の名前はキュリアス。
殺人鬼の両親から産まれた純血の殺人鬼。
殺人をする病があるとするならば。
彼女という保菌者は果たして発症しているのと言えるのだろうか。
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