一章 合宿事変

第4話 いつも通りのHR

「おはよう!優君!」

「おはよう、水瀬。今日も元気ピンピンだな。」

「五◯悟をいつまで引きずるのさ。」

「だって、作者が五◯悟のこと好きなんだもん。やっぱ好きなんすねぇ。」

「なら仕方ないか。」


新学期が始まって1週間、俺たちは少しずつ新しいクラスに慣れてきていた。

まぁ、俺はコミュ力が無いし、まだクラスメイトの男子とは少ししか話していない。


水瀬と話をしていると、チャイムが鳴った。


キーンコーンカーンコーン


「お前らーさっさと席につけー。」


教室の前の扉を開けて担任が入ってきた。

紹介しておこう。我らが担任の日比野巴ひびのともえだ。年齢は二十六歳。今年赴任したばっかりの新人さんだ。

なのに何故か、生徒をまとめるのが上手い。

彼女の親しみやすい口調(口調が荒い)のおかげなのだろうか、生徒にも好かれていたりする。


「さぁ、新学期が始まってまだ数日だが、ビッグイベントがやってきたぞ!その名も、

【学力強化合宿】だ!」


水瀬が手を挙げて質問をした。

「先生、それって、泊まり込みで勉強するんですか?」

「おう、もちろんだ。勉強以外のこともやるが、基本的には勉強だ。まぁ、新しいクラスになって、まだ数日だ。新しい仲間と仲良くなる良いチャンスだろ。」

「他に質問はないな?つーことで、1週間後には合宿が始まるから、六限目に班を決めるぞ。」


1週間後とはまた急なもんだな、早めに準備を終わらせておかなければ。



〜〜〜〜〜〜〜〜六限目〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「優君、私と同じ班にならない?」

「おう、もちろんいいぞ。」


六限目、俺たちは、予告されていたとおり班決めをしていた。


「でも、班を作る上で、必ず6人班じゃなきゃいけないんだけど、優君は誰と組みたい?」

「うーん、やっぱり話したことのある人とかがベストになるんだろうけど、生憎、仲が良い人がまだ少ないからなぁ。」

「じゃあ、私の友達を2人を班に呼んでも良いかな?」

「おっけー」


水瀬が二人の女子に話しかけに行った。

やはり水瀬はコミュ力お化けだな、なんでこの数日間で友人がホイホイ作れるのか、俺には無理だ。


ん?後ろから誰か近づいてきた。


「なぁ、藤宮、俺たちもお前らの班に入れてくれないか?」

「えーと、君たちは?」

「俺は、杉浦大和すぎうらやまとやで、隣のこいつは、」

「僕は金木透かねきとおるだよ。」


話しかけてくれたのは、クラスメイトの男子2人だった。

「それで、俺たちの班に入りたいって言ってたっけ。」

「ああ、俺らはまだ班が組めていなくての、丁度、班のメンバーを集めていたお前らが目に留まってな。」

「僕達は俗に言う陽キャじゃないからね、女の子に話しかけようにも、ハードルが高いんだ。」


良かった、俺と同類の気配がする。

「分かった、お前らとなら仲良くやれそうだ。

よろしくな、大和と透。」

「うん!よろしく、優君。」

「よろしゅうな優。」


俺たちが話しているうちに、水瀬の方も上手く誘えたようだ。


「あれ、優君、その人たちは?」

「ああ、紹介するよ、水瀬。こいつらは、…」


2人の紹介をして、顔合わせが終わった後、


「で、後ろにいる2人は誰だ?」

「あ、紹介し忘れてた、この2人は…」

「あ、ウチの名前は相原美沙あいはらみさだよー。よろしくね、優君たち!」

「私は、蔵峰恵くらみねめぐみって名前です。よろしくお願いします。」


如何にもな、ギャルと委員長といったような人たちだ。

ただ、仲良くなれそうで良かった。


「じゃあ、これで班は完成だね!」

「ああ、最初はどうなるかと思ったがなんとかなったな。」

「基本的には、この六人でうごくから、合宿中はよろしくな!」


「そういえば、今回ウチらが行く場所ってどこなんだろ?」

「しおりに書いてある限りでは、千葉県の海浜公園近くに行くみたいです。」

「マジで!?じゃあ、ミッ◯ーとかミ◯ーに会える…ってコト!?」

「会えるわけないやろ、夢の国から俺らが泊まる所まで十数キロあるて。」

「そんなぁ(´;ω;`)」

「まぁまぁ、それなら今度暇だったら僕達と行こうよ。」

「ありがとう透(´;ω;`)」

「昼ご飯はBBQとか飯盒炊さんもあるらしいし、勉強合宿といっても、案外楽しいかも。」


それは楽しみになってきたな。準備とかもその分しっかりしないと。

「じゃあ、今度、飯盒炊さんの為の買い出しに行こうよ!」

「お、ええなそれ、透や優ももちろん来るよな?」

「ああ、絶対に美味しいものを作ってやろう」

「シェフ金木が久々に腕を振るっちゃうぞ〜」


「じゃあ、連絡先交換しようぜ。」

「「オッケー」」


「あ、あの!優君?」

水瀬が話しかけてきた。

「私とも連絡先、交換しない?」

「あ、ああ、もちろん良いぞ。」


それから俺たちは連絡先を交換して、解散した。

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