第10話
秋が過ぎ、冬の冷たい風が東京の街に吹き始めたころ、妖國は再び花緒のことを思い出していた。美大の研究会で出会った少女、その少女の姉が花緒であったという衝撃的な事実を知った後、妖國の心は混乱していた。
冬のある日の夕暮れ、妖國は美大のキャンパス内を歩いていた。寒さの中、手袋をした手をポケットに入れ、空を見上げる。ふと、花緒の声が頭の中に響いた。
「妖國さん、私の願いを受け入れてくれますか?」
妖國は一瞬立ち止まり、深呼吸をする。そして、心の中で静かに答えた。
「共に生きよう、花緒。」
その瞬間、心に暖かさが広がり、冬の冷たさが和らいだ気がした。妖國は花緒との約束を胸に、前へ進む決意を新たにした。
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