第8話
8月の終わり、蒸し暑い夜が続く中、妖國は風邪を引いて寝込んでいた。体のだるさと熱でうなされながら、布団の中で何度も目を覚ます。彼女は冷や汗をかき、眠れぬ夜を過ごしていた。
妖國がつらい思いでうめき声を上げていると、ふと、心の中に柔らかな感触が広がった。花緒の存在が彼女の周りに漂い、心の奥深くにまで染み込んでくるのを感じた。花緒は、テレパシーを通じて妖國に温かな気持ちを送り続けた。
妖國(心の中で) 「花緒さん…?」
花緒(テレパシーで) 「妖國さん、大丈夫ですか?今、すぐに来ますね。」
不安な気持ちでいっぱいの妖國は、花緒の声に少しだけ安堵した。しばらくすると、花緒の優しい存在感が一層強く感じられた。まるで実際に彼女がそばにいるかのような感覚が広がり、妖國は心からの安心感を得ることができた。
そして、温かい感触が妖國の体を包み込み、彼女を優しく抱きしめるような気持ちが伝わってきた。花緒は、心の中でテレパシーを通じて妖國を支えようとしていた。妖國はその瞬間、涙が浮かびそうになるのを感じながら、安心して目を閉じた。
妖國(心の中で) 「ありがとう、花緒さん…」
花緒(テレパシーで) 「お大事にしてください。すぐに回復しますように。」
妖國はその言葉に心から感謝し、穏やかな気持ちで眠りに落ちていった。花緒の温かさが、冷えた体と心を優しく癒し、彼女は安心して夢の中へと導かれていった。
二つの心、一つの雨/美術の海辺 紙の妖精さん @paperfairy
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