第120話 戦いの終わりと
その体は
玉座の間は、先ほどまでの戦いの
「……よし」
イリスが静かに手を
すると、
「これで、人間界への転移は止まるはずだ」
赤い球体のその
さすがの
「とりあえず、これでひとまず全部終わりなのかな?
「ああ。
イリスは言葉を切り、クロムウェルの
「まだ一つ、話しておかねばならないことがある」
(これで「
(
不思議と
「ミュウちゃん!
シャルが
「うん」
小さく
思わずほっとして、目を閉じそうになる。
「休むのはまだだ」
イリスの声が、冷たく
その
「ミュウ、お前に聞きたいことがある」
イリスが
(え……?)
シャルが、
「千年前の
「…………」
イリスはそう言って、
「マーリンという男。
その名前を聞いた
シャルの手が、
イリスの声は低く、重かった。その
「あの男は、千年前
イリスの声には、かすかな
その表情は、
「我が覚えているのは、
窓の外の三つの月が、イリスの白銀の
「次々と
その男の手にした
イリスの話を聞きながら、
(……でも、マーリンは
山の上の小さな家。そこで、マーリンは
その表情は
時折見せる
でも、イリスやガンダールヴァの
「
イリスの表情が険しくなる。「
「ミュウ。お前はどう思う? あの男の目的は何だ?」
その問いに、
「ねえ、イリス」
シャルが、
「確かにその話聞くとマーリンって
シャルは
その目にはいつもの明るさの中に、
「だったら、きっと理由があるはず。ミュウちゃんに教えた回復
そんな大切なこと教えてくれた人が、ただの悪人なわけないよ」
シャルの言葉に、
そう、きっと何か理由があるはずだ。でも――
「
イリスが冷たく言い放つ。
「千年前、
ミュウ。お前は、本当に
その質問に、
マーリンは
なぜ千年前の人物が生きているのか。
なぜ
そして、なぜ「
それらの答えを、
「ならば考えろ。お前は
イリスの言葉が、重く
玉座の間に、
(
マーリンを信じたい。
でも、イリスの語る過去も、確かに事実なのだろう。
その
そんな
「ねぇミュウちゃん。もし大切な人が何か
その言葉に、
シャルは、まっすぐに
「人を信じるのはいいこと。でもそれは、その人が
本当に大切な人なら、
シャルの言葉に、
そして――
三つの月の光が、
「あ……あの……」
「……」
イリスが
「マ、マーリンは……
一言一言が重く、
シャルが後ろから、そっと背中を
「で、でも……わからないことばっかりだって、知って」
言葉が
「だ、だから……知りたい。マーリンのこと……全部」
イリスの表情が、かすかに動く。
「それに……も、もしマーリンが、
言葉が
でも、今度は必死で
「
玉座の間に、
月の光だけが、静かに
イリスはその光の中でしばらく
「……いいだろう。その
イリスの表情にはどこか
「正直なところ、お前を仕留めるべきかどうか迷っていた」
「……!?」
「お前の存在がマーリンの策略、という可能性も
そ、それは……まあそうかも。父親を殺した男の
……だからイリスは、四天王を
「ねぇ、でもさ」
シャルが不意に口を開く。
「なんか変じゃない? イリスの話だと、マーリンは千年前に『
「ああ、そうだ。確かに割れを
「なのに、なんでまだここにあるの?」
シャルの疑問に、イリスの表情が
……
その「
「もしかして、マーリンが『
「『
「ええー? じゃあなんだろ。うーん、クロムウェルが
シャルが首を
「いいや、それは考えられんな」
イリスは首を横に
「マーリンの力はクロムウェルごときで手に負えるものではない。
考えられるとすれば、マーリンが自ら『
「持っていかなかった……?」
「我の
その言葉に、
疑問は深まるばかりだった。シャルは特に、頭の上に
「その答えなら、
ゆっくりと
「やぁ、久しぶりだね。ミュウ」
その声の主は、白いローブを着た、
まるで最初からそこにいたかのように、玉座の間の
「いつか君と
「マーリン……!」
イリスの声が
「そんな
マーリンは、まるで昔からの知人に話しかけるような気さくさで語りかける。
しかし、その目は静かに「
「千年前の話をしようか。君のお
マーリンは
「それは確かに
「だってそれじゃ、『
「な……」
イリスと
シャルが、
「だから
マーリンは
「クロムウェルのことか? まさか、
「そう。
マーリンは
「
そして『
「では、貴様は初めから……!」
「そうだよ。
マーリンの言葉に、イリスは目を見開く。
……そんな。
「クロムウェルくんの役目は終わった。後は、
その言葉と共に、マーリンの
それは、
「させないよ!」
シャルが
「……マーリン」
だけど、強く力を入れる。
「さっき、
マーリンは
「そうだね。だから
「
玉座の間に
それは
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