第119話 魔王クロムウェル(後編)
「フフフ……フハハハハ……! これこそが
クロムウェルの
まるで生き物の体液のような
窓の外には三つの赤い月。
その光を受けて、クロムウェルの姿がより一層おぞましく見える。
「クロムウェル! その力は貴様のものではない!」
イリスの声が玉座の間に
いつもの落ち着いた様子とは打って変わり、
白銀の長い
「フハハハハッ! それを決めるのは
クロムウェルの声が
優美な容姿は
「お前たち人間も、イリスも、この『
「うるさいなー! 借りパクしてる力で
シャルの声が
「しかし、こういう悪役ってなんでこう長々と
(
シャルの軽口に、思わず
そんな
「
「貴様ら、この
「フン。四天王ももはや消えた。貴様を
「何だとォ……!」
指先は
左目が
「見よ! これこそが真の力だ!」
クロムウェルが
「何という
「き……! 貴様ァァ!」
イリスの
まるで血のような色の
「この
その姿は、もはや人の形を完全に失っていた。
クロムウェルの体が、まるで
黒い体液のようなものを
「グォォォォォ……!」
人の言葉とは思えない
クロムウェルの
全身が黒い
頭部には赤く光る一つ目のように、「
「理性すら捨て去ったか、
イリスの声が冷たく
「ちょっとちょっと、あんた
シャルが
「グルル……我こそが……真の支配者……!」
クロムウェルの声は低く
(これ、まずいかも……)
回復
「グァァァァ!」
クロムウェルが
「危ないっ!」
シャルが
「この
クロムウェルの声が
しかし次の
「
玉座の間が激しく
「くっ! シャル、
イリスの声に
「このぉ……! 人間
クロムウェルの背中から新たな
「ちょっと! いくら切っても増えてくんだけど!」
「く、これは……」
イリスが目を細める。クロムウェルの体が、さらに
その姿は、もはや玉座の間に収まりきらないほどの大きさになっている。
「我こそは
クロムウェルの
それに共鳴するように、頭に
(やば……なんか共鳴してる?)
イリスは四天王の力を使い、
シャルは
しかし、クロムウェルの暴走は止まらない。
「
その時、クロムウェルの体から赤い光が
まるで血管が
「グオオオオォォォッ!」
クロムウェルの
「これは……力の暴走か! チッ、
イリスが
でも、建物の
「ミュウちゃん! ちょっと『
「……!?」
シャルが
「あの赤いの、たぶん暴走してるんだよね! それなら、ミュウちゃんなら――」
シャルは言葉を切り、大きく息を吸う。
「『
「……!」
「待て、危険すぎる! 『
「イリス! 後ろで支えててあげて!」
シャルはイリスの制止の声も聞かずに、クロムウェルに向かって
「はぁっ!」
シャルの
青い光が、赤く染まった空間を
「グアァァ!」
クロムウェルが
その姿は、まるで
「よし、ミュウちゃん! 今のうちに『
シャルの声に
目指すは、
「仕方があるまい。……我も
イリスが指を鳴らすと、黒い
それらは赤い
「この虫けらが……!
クロムウェルの
シャルは
切断面から黒い液体が
(状態異常回復
青白い光が、「
それは、暴れる
「……っ!? か、体が……
「よし! 今度はあたしの番だよ!」
シャルは
青い
その
そして――
「ゲブァァァァァッ!?」
クロムウェルの体から大量の黒い液体が
「シャル! 今だ!」
「くっ……
クロムウェルの
先ほどまでの
「今だ! シャル!」
イリスの声に、シャルは大きく
その目には、決意の色が宿っていた。
「
シャルが
「グルル……貴様ら、この
クロムウェルは
「
シャルの声が玉座の間に
「なっ……!」
クロムウェルの目が見開かれる。その表情には、明らかな
黄金の
その
「はぁぁぁっ!」
シャルが
「ぐあああああああああっ!」
クロムウェルの悲鳴が
空気が
やがて光が収まる。そこには、あちこちが黒く
「ぐ、う……ば、ばか、な……」
「……まだだ」
イリスの声。
その手には、どこからか取り出した
「イリ、ス……貴様……!?」
クロムウェルが
その表情には、かつての
「千年前、貴様は父上を裏切った。そして私欲から
「
「待て! イリス!
クロムウェルの言葉は、その胸を
「さらばだ、
イリスの
それは、まるで千年分の
「……終わったみたいだね!」
シャルが、ため息のように
(うん。これでひとまず
三つの赤い月の光も、今は少しだけ
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