第109話 氷姫リリアン(前編)
「そうそう。その体勢のまま動かないでくださいまし。そうすれば……楽に殺してさしあげますから」
リリアンは氷の階段を
なのに、リリアンの
シャルが
「ちょっとちょっと、ミュウちゃんに色目を使うんじゃないよ!」
「
リリアンが指を鳴らす。その音は氷のような冷たさを帯びていた。
その指先に青い
白い
氷の
「おわっ、寒ッ!」
シャルは
その
その
氷の結界が、
青白い
「まぁ、せっかちですこと。そんなもので、この
リリアンは空中に氷の
その
「あなたも相変わらずみたいね。イリス様」
イリスの
赤い光が周囲の青白い氷に反射し、
「リリアン。お前にはいくつか聞きたいことがある」
「あら、そんなお話。こんな寒いところでするのは
リリアンが
それぞれの矢は
「ふん!」
イリスの放った赤い光が、氷の矢をことごとく
蒸気はイリスの背後に集まると、冷気とともに
「イリス!」
シャルが
光の
そのダイヤモンドダストが
まるで
(寒冷回復
光は
「あら……」
その
これまでの
な、なに……じっと見ないで……あと服着て……。
「へぇ、回復
リリアンは
氷の結界が
「……やれやれ。こちらの策を
氷の結界が増強され、シャルの
同様に、氷はイリスの
だが一方で、
温かな光がシャルとイリスの体を守り、
だけど、MPは
「……ふふふ」
不意に、リリアンが意味ありげな
その
「でも、あなたにはもう一つ、大きな弱点がありそうですわね」
リリアンはそう言うと、まるでショーのように自分の体を大きくくねらせた。
黒い
「……」
……
「あらあら。そう
リリアンの声が、氷のように冷たい空気に
その声は
「なるほど。あなたの弱点、見つけましたわ」
その声には、明らかな勝利の確信が
「さて、では本気で始めましょうか」
リリアンが
青い宝石が氷のような
水が
「なっ、なにこれ!?」
シャルの声が聞こえた。光は
氷の
氷の表面には無数の小さな
その赤い光が氷を通して室内に
まるで血に染まったような光が、氷の
「ミュウちゃん、あたしから
シャルの声が
「え!?」
氷の柱は次々と生え、
「ふふ。お
リリアンの声が氷の
その声は何度も
「シャル! ……イリス!」
氷の
(寒冷回復
「あら、そんなことはさせませんわ」
背後から
冷たい
「ひゃっ!」
なんか、や、
「そんなに
リリアンの声が耳元で
さらに
「ふふ。顔を
「ん……!」
氷のように冷たい指が、
(か、顔が近い……!)
リリアンの整った顔立ちが、目の前いっぱいに広がる。
長い
「さて、あなたの
リリアンの言葉に、
「ミュウちゃん! どこ!?」
遠くからシャルの声が聞こえる。同時に、氷の
でも、
「ふふ。このまま、おとなしくしていればいいのよ」
リリアンの指が、
頭の中が真っ白になり、まるで氷の中に
そのとき、大きな氷の形成音が
「くっ、この!」
シャルの声。
「ぐっ……ミュウ! 聞こえているか!」
イリスの声。
体が
「何も聞かなくていいのよ。気持ちを楽にして……」
リリアンの声が、耳元で
その声は氷の
「無理よ。あなたみたいな幼い子は、わたくしの
そう
指先から伝わる冷気が、まるで氷の
(やば……い……意識が……)
視界が
このままじゃ、シャルもイリスも……。
だけど、身体が言うことを聞かない。
まるで
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