第108話 サキュバスだーーーー!!
大地に横たわるヴォルグの体から、金色の光が
その光は大気中で蒸発し、
まるで
光の
青色の太陽が、その光景を見守るように空に
その青い光は、ヴォルグから
(このまま消えちゃうのかな……)
敵とはいえ、なかなか
「……ふ」
ヴォルグの口から、かすかな
グレートヘルムの
その光は
「見事な戦いだった。人間の
その声は、先ほどまでの
まるで遠くで鳴る
ぎしり、と
砂地に横たわった
傷ついた
「勝者よ。
ヴォルグはシャルを見ていた。
赤いポニーテールが、生温かい
「お前たちが向かうべき道……そこには四天王が一人、
ヴォルグの声が、さらに弱くなっていく。
その体からは、より激しく光が
光の
「氷雪の谷、そこに
「氷雪ねえ。なんか寒そう」
「氷雪の谷……
イリスの声が
「
ヴォルグが何かを言いかけたその時、
「ここまで、か……クロムウェル様、ご武運、を……」
最後まで言葉を
しかし、その声は光と共に消えていった。空気中に
そうして、残った
まるで地面から生えるように、青白い
「ヴォルグ……か。敵ながら見事な忠誠だった。
イリスの声が、風に消えていく。
シャルは
戦いの
「次なる目的地は氷雪の谷か。幸か不幸か、クロムウェルの
イリスは「氷雪の谷」の方角を指差す。
そちらには、
その頂は雲に
「リリアン……我の
「えー、それじゃ裏切り者ってこと?」
「そうなるな。力も
イリスは手の中に赤い光を
まるで小さな
その力は確かに、ヴォルグ
クリスタルの内部では、かすかな金色の光が脈動している。
その中に、まるでヴォルグの
「よーし、とりあえずその谷に向かおっか!」
シャルの声が、重たい空気を打ち破る。いつもの明るい調子に
その声に、
「あ、でもその前に……」
シャルはヴォルグが変化したクリスタル、その
「せっかくだし、ちょっと
「フ……なるほど、いい考えだ。クリスタルには生前の
「そうなんだ! じゃ、よろしくねヴォルグ!」
いや、どうかなぁ……いい戦いをしたとはいえ敵だし、助けてはくれないんじゃ……。
■
まるで氷の針で
その冷気は
「さ、さささ寒いね……」
氷雪の谷に近づくにつれ、
足元には白い
その音は
どことなくグレイシャルの
(人間界の雪とは
その
その粉は風に乗って
「ミュウちゃん……その、MPとか余ってない?」
シャルが
赤い
なるほど、と
(寒冷回復
その光は
はあぁ、あったかい……!
グレイシャルのときは思いつかなかったなぁ。これが当時あればどれだけ快適だっただろう……。
「なんと……寒さを『回復』しおったか」
「あったかーい! さすがミュウちゃん!」
シャルが両手を広げ、
その声に
「寒いんだよチクショウ……」
「
「あの女ァ、許せねぇぞ……」
不平不満を言いながらも、
「ふむ。しかしこの寒さ、明らかに異常だな」
イリスが空を見上げる。三つの赤い月が、青い
その光は
「リリアンの仕業か。ヤツは氷雪の術に
「ねえイリス。リリアンって、もしかしてそこそこ昔からの知り合いなの?」
シャルの質問に、イリスは少し
その表情には、何か思い出そうとする
「確かに……
しばらく考えこんでいたイリスが声を上げる。
その目が大きく見開かれ、何かを思い出したような表情を
「そうか……そうだったのか。父上が仕留められ、
その指先がこめかみを強く
「父上を
続けて何かを思い出していくイリス。
しかし、それ以上は何も思い出せないようだった。
その
(
千年前のこととなれば、ますます
「……リリアンは、
「なるほど。じゃ、力を
シャルの明るい声に、
風が強くなり、青い
その
……だんだんと、
――その時。
青い
その
シャルが
手のひらに伝わる
寒冷回復
「来るぞ!」
イリスの警告の直後、
青白い
その中心から、ゆっくりと
「まぁ、ご
氷の
その声には
シャルも
(……!?)
「リリアン……やはり、お前か」
「お久しぶりですわね、イリス様。いえ、元
……リ、リリアンは氷で作られた玉座に
その表情には、
氷が空中に形成され、それが階段の形に変わる。
まるでガラスのような
「わたくし、
そう言いながら、リリアンは氷の階段を一歩ずつ降りてくる。階段を
……長い……長い、
その
……ていうか、あの。
その
そして――ほとんど布とは呼べないような
白い布が最低限の部分だけを
その布の下には、なんかもう……すごく、大きな胸が……
むしろ「布で
氷のような白い
(え――えええ、えっちな
「
「
「…………!!」
視線を
しょうがないじゃん! こんなえっちな服装の人見たことないんだから!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます