第107話 雷帝ヴォルグ(後編)
「ふぅ……」
シャルが立ち上がる。
静電気で
まるで血のような色に染まった
イリスとヴォルグは、まるで武人同士のようにお
その声は
「……もうよいか?」
イリスが
「まずは小手調べよ……この
(同じセリフで仕切り直してくれた……)
シャルが丸
だが一方で、
まるで水の中にいるような重さと
「……なるほど。これが四天王の力か。名乗るだけのことはある」
「無論だ。
イリスの声に、
ヴォルグの放つ
まさに
シャルが
青白い火花が、まるで水が流れるように
「イリス、ミュウちゃん。さっき言った通り、
その言葉に、ヴォルグが首を
その光は
「ほう、人間
「そ。なんでって――」
シャルの
その青白い光は、クリスタルの光よりも美しく、まるで月光のよう。
対して、ヴォルグの金色の
「あたしにも、
青白い光線が空気を切り
その
「なに!?」
ヴォルグは
が、受け止めた
「……ほう。これは予想外。確かに
「意外と冷静だね? 『
「……フ。
ヴォルグの声が低くなる。言葉に反し、その声には明らかな
グレートヘルムの
その光は周囲のクリスタルに反射し、まるで黄金の雨だ……!
「何より、力は力! この
金色の光の
「シャルッ!」
イリスの
「それはどうかなぁ!」
シャルの
月光のような純度の高い光が、黄金の
二つの
その光景に、イリスが目を見開いた。
「まさか……人間がこれほどの力を」
(シャル、いつの間にかまた強くなってる……!)
シャルの口元が、少しだけ
その
……か、かっこいいなあ。ちょっと胸が重くなる感じがした。
いつもの
「さあ! 本気でやろうか!」
その言葉に、ヴォルグが低く
シャルの
その動きは目が追えないほどの速さで、まるで光の残像のように見えた。
対してヴォルグはほとんど動かない。
その姿は異質かつ
両者の
激しい
ゼリーが
「そりゃそりゃそりゃあっ!」
シャルの
その姿はもはや、赤い残像となって空間を
それに対し、ヴォルグの
まるで機械のような正確さで、シャルの
「
「うるさいっ!」
シャルの
予測不能で、曲感的な動きが
一方ヴォルグは、まるで工場で作られたような
冷静で、計算された動きばかり。その姿はさながら
「
ヴォルグの言葉が
シャルの
「むっ!?」
青白い光がヴォルグの肉体を焼く。だが、傷は深くない。
まるで液体金属のように、
「
「ふん……まぐれに過ぎん!」
シャルの
その光が
「
何重もの
(やばい、シャルが囲まれた……!)
「なるほどね。なら……!」
シャルは
その
「あたしも、もっとやっちゃうよ!」
金色と青白の
その激しい
無数の
「な、なんだと!?」
ヴォルグが
シャルの
純度の高い青白い光が、黄金の光を
「この程度の量なら、質で
シャルの
光の中から飛び出したシャルの
切断された
「ぐっ……まさか、これほどの力とは……!」
ヴォルグの声が苦しげに
その姿は、もはや最初の
だが――シャルの呼吸も乱れ始めている。
どうやら、これだけの
「あー、さすがにちょっと
「ふっ、やはり人間の身体では限界があるということか」
シャルの動きが
ヴォルグもそれを
金色の
まるで
(やばい。長期戦は不利かも……!)
まずいと思った
「
ヴォルグが
(シャル……!)
その時、シャルが小さく笑った。口元がかすかに
「
青白い
「今なら、多分あたしの切り札が使えるから!」
「切り札だと?」
ヴォルグの声が
「ふん……ならば
ヴォルグが
「
それは
(やばい、規模が
今までの比ではない
「これが四天王の力よ! 天からの裁きを受けるがいい!」
ヴォルグの
空間が
だが、シャルは
「へぇ、すっごい
そのとき、シャルの
……!?
そ、そんな。まさか体力切れ!?
心配する
「受けてあげる!」
シャルは
「なっ!?」
金色の
いや、
「ば、
「やれると思ったんだ。
――返すよ!
シャルが
その
「ぐああああっ……!」
シャルの
「バカな……
ヴォルグの
そして、
「ふぅ……案外、うまく決まったね!」
シャルの声が
「シャル!」
「
シャルが
「おっと。どしたのさミュウちゃん!」
「……!」
そんな
だが、その表情には明らかな
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