第106話 雷帝ヴォルグ(前編)
「さて……目が覚めたようだな」
「え……ひ、ヒィッ!?」
イリスが
裏山のような場所に
顔が少し魚っぽい、
体は人間みたいなんだけど、
その姿は、人間の世界の童話に出てきそうな、ちょっと不気味な
「くっ……」
男が顔を
クリスタルの
キラキラとした
「クロムウェルの配下の情報を話してもらおう」
「は、はっ! 我が主、クロムウェル様を裏切るくらいなら……!」
男の
「ほう。その忠誠心、買うべきか」
イリスの口調は冷たい。その目はまるで虫を見るかのようだった。
シャルと
イリスの
「イリスって、こういう時意外と
これが本来の
まるで氷の
「よいだろう」
イリスが片手を上げる。その指先に、赤い光が集まり始めた。
光が
男の顔が青ざめていく。
「手に入れたこの力でゆっくりと
先ほどの戦いで分かったが、お前たちに
「ひっ……!」
「さて、まずは
「は、はい! 話します! 話しますから!」
イリスの
というか、イリスも魚っぽいと思ってるんだろうか。
「クロムウェル様の配下には、四天王と呼ばれる強者がおります!
「四天王?」
イリスの声が、少し
エラが大きく開いて、早い呼吸を
「は、はい。四天王筆頭『
男の声は
「ヴォルグ様は、この地域一帯を支配しております。その力は
話すうちに、男の声は
エラが開いたり閉じたりするスピードも、興奮を示すように早くなっていた。
どうやら心からクロムウェルの配下を
「近くにそのような存在が……ふむ」
イリスが
「まだ力の
クリスタルの光を反射して、刀身が青白く
「ねぇ、イリス。その、
シャルの問いかけに、
「いや、シャル。まだ戦うには早い」
「……!」
イリスが
「
「でもさ」
シャルは
その光は純度が高く、クリスタルの光よりも
「この
「
「
「ほう……
「うん。同じ
シャルは
「クロムウェルの配下は、『
「なるほど」
イリスが
周囲の空気が、
「確かに、ヴォルグを
「でも、早く動かないとまずくない?」
シャルの言葉に、
(もしイリスの力が
イリスの復活を知ったクロムウェルは、今の所適当な
しかし、イリスが力を
今は四天王の
そう考えると、少し背筋が冷たくなる。
「……ミュウまでそう思うのか」
イリスが深いため息をつく。銀色の
クリスタルの光を受けて、まるで月光のように
「分かった。行こう」
「そうこなくっちゃね!」
そうして
■
もともと
時折、遠くで
その音が、
「すごい
シャルの声にも、
青白い光が、シャルの手の中で脈打つように
やがて、
灰色の
その
建物の頂上には、
その表面と
「あれがヴォルグの力の源か……?」
「うーん、そうっぽいけど。あの
「混ざり物?」
「そう。まぁ感覚的なものだけどね! アレならあたしの
シャルの言葉に強く不安を感じる……! そんな負けそうなことをわざわざ言わなくても……!
シャルの力を信じてないわけじゃないけど、あんまり油断はしてほしくない。
「あはは、
シャルは
……フードを
「よし、あたしが
シャルの声に、
その
クリスタルの
金色の光が、不規則なリズムで
「おい、見つかったぞ」
「マジ!?」
イリスの言葉と共に、
それは地を
空気が
シャルが
その姿は、今までに見たことのないほど
「行くよ、みんな!」
――と、その時だった。
「ぎゃーーーーーーーーっ!?」
派手な
青白い火花を散らしながら、シャルの体が
「シャルっ!?」
「あ、あばばばっ……!」
シャルの
全身が真っ黒こげに。その姿はまるで、炭にした魚みたいだった。白目を
シャルは地面に
……だ、
たぶんシャルは、
そのとき、ドスンと
現れたのは
全身を銀色の
その
完全に頭を
その視界の穴から金色の光が
「まずは小手調べよ……この
「しばし待て、ヴォルグとやら」
イリスが手を広げ、
すると
「……回復しろ、ミュウ」
「う、うん……!」
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