第102話 魔王の戦い
「――では、行くぞ。ついてこい、人間たちよ」
イリスの声に、
その声には、
シャルが窓に
「うわ……デカっ! あれヤバくない!?」
そこには――人型の
全身が黒いクリスタルで
建物の10階分くらい……? いや、もっとあるかもしれない。
空に
その存在感は
表面にはクリスタルが不規則に生えており、それが月明かりを反射して無数の赤い光を放っている。
その姿はどこか神々しささえ感じさせた。
まるで古い絵本に出てくる
「クロムウェルの
イリスが小さく笑う。
その表情には、まるで子供の
銀色の
しかし、
イリスの
「ねえ!
シャルの声が少し
さすがの
「心配には
ドゴォォン!
言葉の
地面が大きく
その
「っ、くしゅんっ」
その手には
「見ているがいい。我が
イリスが静かに目を閉じる。
生暖かい
「えぇ!? イリス
シャルが
その目には、今までに見たことのない
「案ずるな。力が
イリスの言葉と放たれた
長い
その光は月の光よりも
キィン、キィンと
その光は
「見ているがよい。これが、
そう言って、イリスは歌い始めた――。
それは人の声とも、楽器の音とも
まるで
その声は、城内に満ちたクリスタルと共鳴するように、
「これは……」
シャルが小声で
クリスタルは、イリスの歌に導かれるように、みるみるうちに大きくなっていく。
それは
どちらかというと、それは植物の動きに近いように思える。
クリスタルは
窓の外でも同じことが起きていた。
城の
月明かりを受けて、それは紅色に
「
歌の合間に、イリスがそう告げる。その声には
しかし、その表情には
おそらくこれだけの規模でクリスタルを
「お城が……変わっていく!」
シャルの声に、イリスは小さく
だが一方、イリスの呼吸は少しずつ
その姿は相変わらず
「グルルルル……」
低い
その動きは、大きな体に似合わず
クリスタルの
その光は、
「くっ……」
イリスの声が
「イリス!?」
シャルが心配そうに声を上げる。
しかし、イリスは
今度の歌声には、先ほどよりも強い力が
その声に呼応するように、クリスタルの成長が再開する。
まるで氷が張っていくように、
「下がっていろ。助けなどいらぬ」
イリスの声が
まるで、クリスタルの
――ドォォォン!
最初の
「やばっ! 立ってられないって!」
シャルの声が聞こえる。
その声に導かれ、
ガシャガシャという音と共に、クリスタルの
しかし、
ドン、ドン、という重い音と共に、次々と
その
そのたびにイリスは歌声を強め、クリスタルを
金属音とも、氷の
「すごい……あれだけの力を、イリス
シャルの声に、
(イリスの呼吸が、
歌い続けるイリスの表情に、
そして、ついに歌声が
その
「ちょっ! このままじゃ城が!」
シャルの
(体力回復
青白い光がイリスを
「ふむ……これは見事な回復
イリスの歌声が再び
今度の声には、先ほどまでとは比べものにならない力が
クリスタルが
イリスの歌声に合わせて、クリスタルが新たな形を作り始める。
今度は
「グォォォォ……!」
その声が城を
クリスタルの
まるで
そして――
「
イリスの
「ガアアアァァ――!」
それは、まるで黒い雪のようだった。
勝利の
「イリス!」
シャルが
が、イリスは小さく手を上げ、それを制した。その指先が、わずかに
「心配には
そう言いながら、イリスはゆっくりと
その仕草には気品があったが、明らかに体力の限界を感じさせた。
「やはり、今の我では長く戦えないようだな……クソっ」
イリスの声には明らかな
窓の外では、
それは赤い月明かりを受けて、不気味な
「イリスの力、すごいね。規模がデカイっていうか」
「……かつての我ならば、歌など必要なかったのだがな。指先一つでこの程度はできたのだ」
「この城も、少しは修復せねば」
再び歌声が
だがその声は先ほどまでとは
クリスタルは、その声に呼応してゆっくりと動き始める。
……が、すぐにイリスの歌声が
その姿は、先ほどまでの
(……体力回復
「ふむ……。確かに体力は回復する。だが、今の
イリスはため息をつきながら
その表情には、今までに見たことのない弱々しさが
高貴な
「
「え? そうなの?」
「この程度の
イリスの言葉に、シャルは少し
「
「……ふん、人間に
「よかろう。お前たちの力を当てにさせてもらうぞ」
そう言ってイリスは窓の外を見やる。
3つの赤い月が、相変わらず不気味な光を投げかけている。その光は、
「
イリスの言葉に、
……が、一つ気になる。この
「どこで休んだらいい? ベッドとかある?」
「ああ……こっちだ」
イリスはいくつかの
古びた
柱のように
……状態異常無効
それなりのMPを使い、
状態異常無効。病気になりづらくなったり毒を無効化したりする
……つまり、くしゃみが止まる
「ではな。我は
イリスは
「
「……かも」
あと
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