第100話 魔王の降臨
「はぁっ!」
シャルの
だが、その傷は
まるで機械のような感情のない声。
「クッソぉぉぉ……いてぇなぁぁー……」
「あんたらが
シャルの
シャルの動きは
しかし、
「もう、
シャルの声には
周囲を見回すと、
クリスタルの不気味な光に照らされた
「ふざけんなよ……」
「なんでこんなことに……」
「腹立つ……
その声は人間のようでいて人間ではなく、聞いているだけで寒気が走る。低く
「くっ!」
シャルが
赤い血が
(小回復
シャルは
「ありがと! ちゃんと効くんだね、この世界でも!」
むしろ、より激しい形相で
暗い空気を切り
「なんだよアレ……」
「気に食わねぇよぉ~……」
「ほんと
シャルの
傷を負っても
額には
(あ……包囲
後方からも新たな
「ちょっとー! これじゃどこを守ればいいのかわかんないってー!」
シャルの声には
まるで
――そのとき、地面が大きく
「え?」
シャルの声が聞こえる。足元から、ゴゴゴという低い
まるで大きな生き物が目覚めたかのような
その人面の表情には、人間のような
次の
「ミュウちゃん、今のうち!」
シャルが
不規則にクリスタルが立ち並ぶ道を、全力で
足元の
しかし――。
「あ」
シャルの声が
底が見えないほどの深さで、かすかに赤い光が
背後では
「ミュウちゃん、悪いけど後ろに立ってて!」
「!?」
シャルが
服地
(た、たしかに囲まれづらいかもしれないけど……でも、下は……)
まるで大きな生き物の
そのとき
「……!?」
シャルも
その声は、まるで
するとそれまで
「この声……ギイィィッ!」
「ケェェェ……」
さっきまでの人の声が消え、より
それは動物の悲鳴のようで、どこか苦しそうだった。
クリスタルが反応するように、
その光は
それぞれのクリスタルが共鳴し、キィン、キィンという音を
歌声は
「きれい……」
シャルの手から力が
まるで
その声は心の
クリスタルの光は、まるで星座のように
それは
「ミュウちゃん、あれ……!」
シャルが指を差す。歌声の方向に目を向けると、建物らしきものが見える。
「あそこ、行ってみる……?」
周囲の
「……うん。道、わかんないし……」
息を
それは
まるで
クリスタルの光に照らされた道は、まるで
その光は
シャルと顔を見合わせ、
クリスタルの
歌声は
シャルは
さすがに
やがて道は開け、
そこには、
「よく
赤色の月光を背に
月の光を受けた赤い
まず目に
長い
おそらく、かなりのお金持ち……なんだろうか。貴族とか、王族のような
その光は、
「我の歌を
話す時の仕草は
つまり、コミュ障的には苦手なタイプと見た。
周囲のクリスタルが、
「えーと、あなたは……?」
シャルが一歩前に出る。その声には
「我の名は、イリス」
イリスと名乗った少女は、小さく
ドレスの
「イリスか、よろしくね! あたしはシャル。こっちはミュウちゃんだよ」
「ほう、名を持つ者か……なれば高名な
イリスの言葉と品定めするような目に、
そうしてしばらく
「……お主ら、よもや人間か!」
そう言って、イリスは
その足音は
「人間かって……え? じゃああなたは?」
そんなシャルの問いかけに、イリスは
「我か? 我は『
「えっ?」
「……!?」
「ま……
シャルの
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