第83話 経年劣化の試練
足元から
遠く
ここまで来ると
前を歩くシャルの赤い
時折
その
その
道中はとても平和だった。
……
「あ! あれかな?
シャルの声が
その声に
青みがかった岩で造られた
遠目に見ても、その造形の
「ここが、
リンが小さくつぶやく。その声には、
その緑と青の色のコントラストが、不思議な神々しさを
木々の間を
その風は山の中腹から
「おー、でーっかい門だねー!」
シャルの声が
近づくにつれてその存在感が増し、首を反らさないと上部が見えないほどだ。
その
風化で表面は
むしろ、長い年月を経た
門の前には
近づくと、石から
「リン、読める?」
「ええ、少し待ってください」
リンは
……耳元で虫が飛ぶ音がしたが、リンは
しばらくして、リンが顔を上げた。
「『
「試練!? やっぱそうきたかー。でも、ぶっ通しで
シャルが
油断はできないが、少なくとも以前の
体の
シャルは大きな門に手を当てる。
ギィィ……という重い音を立てながら、
「さーて、何があるやら……えっ?」
シャルの声が、少し
開いた
通路の両側には
残された灰の
「なんか……すごい放置されてない?」
「ええ……どう見ても、長年人が来ていない様子ですね。それこそ、100年単位で」
リンが通路を
その光の筋が、まるで天から地へと降り注ぐ
そんな
シャルが
それは
その歯車の側には、おそらく
複雑な機械の一部が、長い年月を経てバラバラになっている。
「あはは! これ完全に
「……
「ヒスイドウは、まだギリギリ
金属部分は
本来なら試練が待ち受けていたはずの通路は、今は
「ちょっと
シャルの声に
足音が
リンの持つ
通路を進んでいくと、
冷たい空気が
目の前には広大な円形の空間が広がり、その
その光は呼吸するように
「わぁ……きれい……」
シャルの声が、
音に反応して光が変化する様子は、まるで
ここだけ、
「機械
リンが何かに気付いたように、
そこには大きな台座があり、複雑な歯車や機械の一部が
表面には細かな文様が刻まれ、かつての技術の
シャルが台座に近づき、興味深そうに観察している。
その動作に合わせて、
「これ、なんか
シャルが手を
が、すぐに止まってしまう。歯車と歯車が
「完全に
表面に
しかし歯車は
動力源らしき部分も、完全に
この状態では……。
その光が
「え? ミュウちゃん? あっドヤ顔してる!」
シャルが不思議そうな顔をする。
(中回復
青白い光が機械全体を
修復の過程で、金属が生まれ変わるような清らかな音色が
「おお!?」
シャルの
金属の表面が
「
「そうだよ! 装備も装置も治せるからね、ミュウちゃんは!」
(ドヤ顔してる……)
金属と金属が
「よーし! じゃあ
シャルが台座に手を置くと、今度は機械全体が
歯車が次々と
歯車が回転する
その光は脈打つように
「あっ!
開いた通路からは、
「なるほど……これ、
シャルが興奮気味に声を上げる。
音と光が呼応し、まるで
見上げると
そこにも何かの
「この
「なるほど。これが
この
それは
空気が期待で
「じゃあ、行ってみよう! ミュウちゃん、修理よろしくね!」
シャルの明るい声に、
歯車を回復するたび、
まるで
金属の
その青い光は、まるで海の底から太陽を見上げているような
「うまく行ってるみたいだねー! ミュウちゃんの修理のおかげだよ!」
シャルの声が通路に
リンは無言で前を歩きながら、時折立ち止まっては
「どうやら、中央に近づいているようですね。
さらに
近づくと、冷たい空気が
「ここが中央広間……かな?」
シャルが
まるで
その
重たい
古い石の
「うわぁ……!」
その光は波打つように
足元に残された模様からは、かすかに
広間の中央には、
「なっ……!? なにこれー!?」
そこにあるのは……
全長は優に20メートルはあるだろう。
金属製の
頭部には赤く
しかし、その姿はどこか
長い年月の中で
金属の表面は
かつては
それでも、その
「これは……試練の番人、とかでしょうか?」
リンの声が、広間に静かに
その声が
ドラゴンは
ただ、その赤い目だけが、かすかな光を宿していた。
その光は、
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