第75話 守護獣を撃破せよ
「あああああぁーー!」
シャルの悲鳴が
「いったぁ!」
追加のシャルの悲鳴と共に、
頭がぐわんぐわんと鳴り、目の前で星が散るような感覚。口の中に土っぽい味が広がる。
「くっ……
リンの声が、どこか遠くから聞こえてくる。
「うぅ……ミュウちゃん、ちょっと回復お願い……」
シャルの弱々しい声に、
(全体回復
青白い光が
痛みが一気に消え去り、体が軽くなる。頭のぼんやりとした感覚も晴れていく。
「おお! さすがミュウちゃん!」
「ありがとうございます、ミュウさん」
シャルとリンの声に、小さく
まぁ、
「でもまっ暗だね。どうしよっか……」
シャルの声には
「ご安心を。
リンの声の後、カチカチという
リンが
「わぁ……すごい場所」
シャルの声が
「ごめんね、
確かに
「ちょっと……最初の宝箱でめっちゃテンション上がっちゃって……!」
「……」
「それはわかりますけど……」
ここに
それに、シャルの
「まだ道も続いているようですし、
リンが冷静に言葉を
「そっか! よーし、せっかくだし探検しちゃおう!」
シャルの声が広間に
その元気な声に、
リンが持つ
足音が
「ねえねえ、これ何て書いてあるの?」
シャルが
「古代東方語みたいですね。できる限り読んでみます」
リンが
リンは
「『我ら
「へぇー!
シャルが首を
「古代東方文明のひとつですね。約3000年前に栄えた王朝で、高度な
リンの解説に、
3000年前の
今さら、空気の中に歴史の重みを感じる。……ような気がする。
「すごい! 3000年前かぁ。マーリンがいたのすら1000年前なんだよね!?」
シャルの目が
何度聞いてもしっくり来ないが、
じゃあどうして7年くらい前に
「でも、
「そうですね。
リンが
「『
「ほんとだ! なんかそれっぽいものが
シャルが少し
そこには高い波と、大勢の人間らしいものが
「でもさ、
シャルの言葉に、
ここまで大規模な
「ええ、その通りです。
リンが別の
「『
「
シャルの声が
「おそらく、ただの宝物ではないですね。強大な力を持つ
その言葉に、
そんな貴重なものが、この
空気が
自然災害の様子、人々が
そして広間の中央に
その存在感に、思わず足を止める。
「うわっ! なにこれ!?」
シャルが
石像は
(これは……キマイラ?)
その名前と外見は聞いたことがある。複数の
その目は宝石がはめ
宝石の
「
リンがつぶやく。石像の台座に刻まれた文字を読んだようだ。
「
「そうみたいですね。おそらく、部外者の
そのとき――
「ん?」
石像が
パラパラと
それだけではない。
石像の足に力が
石像が、動き出したのだ。
「
リンの
風を切る
「なんで動くの! 石像でしょ!?」
(
シャルが
「この
リンの言葉を
胸が
その声と共に、
石の表面に、複雑な文様が
その光で広間全体が不気味に照らし出される。
「
シャルが
「せいっ!」
「
シャルの
その動きで巻き起こった風が、
「シャルさん、下がって!
リンの警告の直後、
シャルは
シャルの体は
「いてっ!」
(シャル!)
しかし
地面を
(この調子じゃ、いくら回復しても意味がない……なんとかアレを
その目に
光の強さが、不規則に変化しているようにも見える。
「ミュウさん、シャルさん。
リンの声が落ち着いている。周囲の
「あの目の宝石。あれが動力源のように見えませんか?」
「なるほど、そうかも! じゃあ、あれを
シャルが声を上げるが、すぐに難しさに気付いたようだ。
何しろ
シャルの
「
リンが一歩前に出る。足音が静かに
「
「え!? できるの、リンちゃん!?」
シャルが
だが、あれは危険な力だとリンは言っていた。
「
リンの声に迷いはない。むしろ、これまでで一番しっかりとした口調に聞こえる。
「シャルさん、
リンの呼吸が落ち着いていて、
「任せて! おーい、こっちだよ! キマイラもどきー!」
シャルが
その
オーラは
(……出た。すごい殺気だ……)
赤いオーラが
空気が張り
「行きます……!」
リンの声は低く
次の
いや、消えたのではない。信じられない速度で
残像のように、赤い
リンの体が、
「はぁっ!」
リンの刀が、
金属と宝石が
「今だ! せやぁっ!」
シャルは
金属音が
宝石に
刀を
「――はああぁぁっ!」
キィィィン――という金属音と共に、宝石に
まるでガラスが割れるような
「
シャルの声が
その光は
「って、危ないミュウちゃん! 下がって!」
石がぶつかり合う音が重なり、地面が
空気が
空気中に
「み、みんな無事?」
シャルの声が地下空間に
降ってきた石のせいで体のあちこちが痛むが、大きな
足元を照らす
青白い光はすでに消え、代わりに重苦しい
「リンは……?」
赤いオーラに包まれた姿は、まるで血に染まったように見える。
(
リンの体からは、まだ強い殺気が放たれていた。その
しかし――
「
リンの声が聞こえる。いつもの落ち着いた声だ。
「今回は、自分の意思で
まるで朝
「
リンは小さく
手の
額に
「うん! よくわかんないけどすっごかったよ、リン! まるで赤い光みたいだった!」
シャルが
その
「あ、ありがとうございます。でも、お
「いやいや、リンが
リンが自らの力と向き合い、それを
「さてと」
シャルが
「宝物とかないのかなー?
そう言って
「あ! やっぱり何かある!」
そこには小さな
しかし今は、何も置かれていない。
表面には
「あれ? この
「……
リンが台座を調べる。
そこには黄ばんだ布が残されており、その上に何かが書かれていた。布からは古い紙の
「これは……地図? 印がつけてあるね」
シャルが布を広げる。パリパリとした音が
それは確かに地図のようだ。この辺りの
インクは
「ここが『
リンが地図を
一番大きく
建物の周りには、
「しかし、
「ん? どうかしたの?」
リンは
羊皮紙の
「この
「え!? ってことは……どういうこと!? そっちの
「可能性はありますね。事実、ヒスイドウには不老不死の泉というのはありませんでしたし……」
シャルとリンが会話を
「よーし! じゃあ次はそこに行こう!」
シャルの声が
しかし、リンは少し
「鏡が
「当時の人が場所を移したのか、あるいは……
その言葉に、
もし先客がいるとすれば、それは一体
それがマーリンなのだろうか。それとも
「ま、それは考える必要が出たら考えよう!」
シャルが明るく言う。
「そうですね。まずは地上に
「うん。でも……どうやって? ジャンプする?」
「さすがに、それはミュウさんが無理かと……」
「……!」
「あ! こっちに通路があるよ!」
シャルが
「きっと地上につながってるはず!」
シャルの楽観的な予想に、
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