第74話 遺跡探索
足を
外よりも温度が結構下がった感覚だ。
「うわぁ……すっごい」
シャルの声が、石造りの通路に
足元の
通路の両側には、所々に古びた
青銅製の
リンがそれに、
「こんなに古い
リンの
一体どれくらの年月がここで過ぎたのだろう。想像もつかなかった。
そこには、古代の人々の生活や、
「ねぇねぇ、これ見て!」
シャルが興奮した様子で
そこには、
勇者の手には、
「なんかカッコいいね。それに、この服装……どっちかっていうと、あたし
シャルの言葉に、
確かに、こちらの大陸で主に着られている着物とはデザインが
「不思議ですね。ミュウさんたちの大陸の人が、かつて
リンが静かに言う。答えは出ない。ゴルドーとかがいたらわかったかもしれないけど……。
通路を進んでいくと、やがて広間に出た。
「わぁ……!」
思わずシャルの声が
人間の姿をしているが、その頭部は鳥のようだ。
像の表面には、かすかに光る鉱物が
「これは……何かの神様かな?」
シャルが首を
像の足元には、
「おそらく、この
リンの言葉に、
しかし、シャルの関心は
「ねぇねぇ、宝箱はどこにあるかな? そろそろあってもよくない?」
「う、うーん……どうでしょうか、それは……」
(そもそも宝があるかどうかもわからないんじゃない?)
シャルは目を
その姿は、まるで宝探しに夢中になった子供のようだ。
「シャルさん、むやみに
リンが注意するも、シャルは
「
(絶対気をつけてない……)
シャルの声が、広間に
もし何かあったらすぐに
広間の
人や動物、そして見たこともない
そんな
「あれ? これ、なんかボコッとしてる」
シャルの声に、
そこには、
「ちょっと
「シャルさん、待って……!」
リンの制止の声も
石が動く際、かすかに砂の落ちる音がする。
すると、ゴゴゴゴゴ……という低い
「宝箱だー! ほらね、ちゃんと見つけられたでしょ?」
シャルが得意げに笑う。確かにそこには、古びた木箱が置かれていた。
箱の表面には、複雑な金属細工が
「まさか本当に……」
リンの声には、
「開けていい? 開けちゃうよ~?」
シャルは
年月を経た
「うわぁ! すっごい!」
箱の中には、きらびやかな
金の
それらが
「最初っからこんなに見つかるなんて! ラッキー!」
シャルは目を
宝石のきらめきが、
「
リンが注意深く言う。しかし、シャルの興奮は収まらない。
「ねぇねぇ、これ見て! この指輪、ミュウちゃんにぴったりじゃない?」
言われるまま、
指輪の表面には、細かな
(確かにきれいだけど……)
一応、軽く指輪の
するとその
「あれ? 指輪、なんか光ってる?」
シャルの声に、
確かに、指輪をはめた指先からかすかな光が
「これは……
リンが
「すごいじゃん! もしかしてミュウちゃん、うまく
「……!?」
そ、それはたしかに!
もしMPが増えたのなら、もしかしたら会話してもそこまで減らない可能性がある……!?
……な、何を話せばいいんだろう。心臓の
「こ……こんにちは……!」
「はい! こんにちはミュウちゃん!
「えっアッ、う……お、おいしかった……」
シャルは満面の
ギュンギュンMPが減っていく……200くらい減った気がする……。
体から力が
「ダメっぽいね……」
「……」
そうみたいだ。どうも会話に使うMPは、全体のMPから割合で減っている感じがする……。
総量が増えたところで意味がないのだ。ため息が
「でも、
シャルの声に、
確かに、この発見は大きな
しかし同時に、どの宝もこんなに簡単に手に入るわけはない、という予感がする。
足音が石の
そうして
足元には、所々に
それらの石には、かすかに光る鉱物の筋が走っているのが見えた。
「気をつけて。足元が悪くなってきました」
リンの警告に、
シャルは相変わらず、
その目つきは、まるで
「ねぇねぇ、さっきの宝箱みたいなの、もっとないかなぁ!?」
興奮したシャルの声が、
その声に、小さな石がカラカラと転がる音が重なる。
遠くからは、
「シャルさん。さっきは良かったですが、むやみに
「うーん、オッケー!」
(もう……)
リンが
しばらく歩を進めると、
そこは大きな円形の
「おぉ……」
思わずシャルが声を
それは、まるで物語を語るかのようにぐるりと一周していた。
「これは……この
リンが、
人が
「ねぇ、見てあれ!」
シャルの声に、
そこには三つの通路が口を開けていた。
それぞれの入り口の上には、不思議な文様が刻まれている。
一つは鳥、一つは人、もう一つは……何かよくわからない動物。
それぞれの文様は、かすかに光を放っているように見える。
「どれが正解かなあ? 古代語がわかれば予想もできそうだけど」
シャルの問いかけに、
三つの通路は、それぞれ異なる方向へと
それぞれの通路からは、異なる空気が
「
リンの言葉に、
しかし、シャルの目は
「あっ! あそこ見て!」
シャルが指さす先は、左側の「鳥」の通路。その
その
そして、その上には……。
「宝箱だーッ!」
シャルの声が
箱の表面には複雑な金属細工が
「待って、シャルさん! そんな簡単に……」
リンの制止の声も
「やったー! ほら見て、これ絶対宝箱だよ!」
シャルは得意げに箱を
箱の中で、何かが転がる音がする。その
ゴゴゴゴゴ……。
「え?」
シャルの足元に
「シャルさん! 危険です!」
リンの
しかし、間に合わない。
バリバリバリ! という音と共に、シャルの足元の
「うわあああぁっ!」
シャルの悲鳴が
「シャルさん!」
リンが
しかし、
「っ! まずいっ……!」
リンは
(ど、どうしよう……!)
周囲の空気が、急速に変化していくのを感じる。
そして――。
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