第70話 倉庫の激闘
倉庫内の
「
金属がぶつかり合う
「でええぇいっ!」
シャルが
「シャルさん、気をつけてください!」
リンの警告の声。
刀身が空気を切る音が
切られた布地が
リンが戦う姿を、
これがサムライの戦いなのだろうか、身の
その動きには
青白い光が
「! 痛みと
「ありがと、ミュウちゃん!」
シャルの声に力強さが
しかし、敵の数は
しかしそれでも、戦いは
理由は単純。
シャルとリンはいずれも傷を負ってもすぐに回復するからだ。
いかに数で
その時、ボスが不敵な
「
ボスの声に、残りの
「ふーん、やる気満々って顔だね。そう簡単にやれるかな!」
「うおおおおおっ!」
風圧が、そこそこ
「ううっ!?」
シャルが剣身で
「シャルさん!」
「パ……パワーはすっごいね」
リンの声が
「危ない!」
リンは
「リン!
(中回復
シャルが
リンが傷を
回復
「
「
ボスが何か呟きながらこちらを鋭く睨む。私の体が硬直する。
そのとき、リンの声が
……その
空気の温度が、
「もう、
リンの声が低く
「り、リン……?」
シャルの声が
リンはゆっくりと刀を構え直す。
刀身が静かに
「参ります。
「
ボスが再び
しかし、
リンの姿が消える。
次の
「な、何、だと……」
ボスの声が
リンは次の
その目には、人間味のかけらもない。
(これは、まずい……!)
このままでは、リンが取り返しのつかないことをしてしまう気がする。
(精神回復
「はっ……!? わ、
リンの目に、再び理性の光が
刀を
「リン!
「ご、ごめんなさい。
リンの声に混乱と
しかし、
ボスは
「と、とにかく! ここはもう
シャルの声に、
シャルが
出口まであと少し――その時、背後から思わぬ声が上がった。
その声は今まで聞いていた言葉とは
「待ってくれ!
その声には
「えっ……?」
シャルが
「実は……我々は本当は
「えええ!? どっ、どういうこと!?
「
「……!?」
ほ、ほんとだ……! 倉庫がからっぽ……というか、ええ? ど、どういうことなんだろう……?
「じゃ、じゃあ『灰の手』っていうのは……?」
「
「なっ!?」
リンが
「試験の参加者が出ると、我々が街のあちこちで
その言葉を放ちつつ、男の1人が灰の手ぬぐいを顔からどける。
それは、酒場で
「あー! その顔見たことある!」
「すまない。これは将軍の命令でね。
男の声は
背後では、
金属と木が
「でも、こんなことになるとは……。親方が……親方が重傷を……」
ボスの胸から血が流れ出し、
その
「お願いだ、親方を助けてくれ。
男の
「わ、わ、わわ……
リンはすぐさま刀を
刀が
「こ、この罪は
「いや~、これはそんな命令出す将軍が悪いっしょ。
それに、そんなに気にしなくて平気だって。ね、ミュウちゃん?」
シャルの
そう
足音が静かな倉庫内に
(大回復
青白い光がボスの体を
血の流れが止まり、
やがて光が消えると、ボスがゆっくりと目を開いた。その呼吸が
「う、ぐ……
そして、
「全部聞いたよ、オヤカタ。演技はもういいって」
「すみません、すみません……! そんなこととは
リンも必死に何度も頭を下げていた。
ボスは
「そ、そうか……バレてしまったか。申し訳ない。
確かに、これは将軍の命による試験だったのだ」
「しかし、まさかここまでの実力者たちだとは……特に、お
ボスの目が、リンに向けられる。
「あなたの
リンは
「申し訳ありません。
「いや、これはむしろ、
ボスの言葉に、リンは複雑な表情を
「さて、不格好だがこうなってしまっては試験は
将軍に報告し、正式に
そう言うと、ボスは立ち上がろうとした。
しかし、まだ体が完全には回復していないらしく、よろめいてしまう。
「あ、
「ありがとう。まだ少し、ふらつくようだ」
「ほ、本当に無理はなさらないでください。ゆっくり休んでから、将軍のもとへ行きましょう」
リンが冷静に提案する。
ボスは少し
「そうだな。では、少し休ませてもらう。
すまないが、
青白い光が倉庫内を満たし、傷が
「うお!? も、もう痛くないぞ」
「
「ふふん。でしょー?」
一方のリンは、やはり
……戦いの
あれは一体何だったのだろう。その時の
(……聞かなきゃ)
成り行きで同行してもらっているが、そもそも
倉庫内に
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