第65話 海魔襲来!
サンクロスから少し
潮の
三本のマストが立っている大型のキャラック船――よくわかんないけどそういう分類らしい――で、その姿は堂々としている。
船体からは、新しく
船首には
「よし、荷物はこっちだ!」
「オーケー、わかった!」
重なり合う荷物の間から、スパイスや
船員たちが
「すごいね、ミュウちゃん! こんな大きな船、初めて見たよ」
シャルの目は
これまで見てきたボートみたいな船とは比べ物にならない。これが船、なんだ。
「おう、
ガラン船長の声に、
足場が不安定で少し
船員たちの活気ある声が
足元の板が、波に合わせてわずかに
「お前たちの船室はここだ。
ガランに案内された船室は、確かに
二段ベッドが一つと、小さな机、それに荷物を置くためのスペースがあるだけだ。
船室内からはかすかに
小さな丸窓からは港の
窓ガラスは塩で
「よーし、荷物を置いたら、さっそく仕事だ。お前たちには見張りをしてもらう」
「わかった、任せて!」
ガランの指示に従い、
出航の準備が整うと、船は
風を受けて
マストの上にある足場に登って周囲を
高所からは、青く広がる海がどこまでも続いているのが見える。
見える……が。
「……っ!」
「ミュ、ミュウちゃん……! ミュウちゃん、
こんなの落ちたら
「んー、ミュウちゃんは見張りはやめとこうか……!」
「ご、こめんね……」
そんな最初の1日は、慣れない船上生活に
特にシャルは
「う゛え゛え゛……ミュウちゃん、助けて……」
シャルの声は弱々しく、顔は
(状態異常回復
すると、
「お、おおっ! すごいぞミュウちゃん! これなら
喜んでもらえてよかった。
「……あれ? もしかしてこれあったら
「…………」
「ミュウちゃん? もしもし?」
……シャルの目が
そんなこともあって、
船旅の最中負った、船員たちの軽い
「おお、やるじゃねぇかお
「
船員たちの
それでも、手は痛むときは痛むらしい。
一方のシャルは
「へぇ! そんな前から船乗りしてるんだ」
「おうよ。
……夜になると、船員たちは見張りの人以外、船底の共同
そこではハンモックが
ろうそくの
船底特有の
食事は、
たまに
「あれ? 野菜はもうなくなっちゃったの?」
「ああ。栄養不足にならんように積んでるが、ありゃすぐ
「な、なにーっ!? そうと知ってればもっと味わって食べてたのに……!」
シャルはそんなふうに
栄養不足、か。たしかに2週間も船に乗ってると、それも気にしなきゃいけなくなるんだ。
最悪
それから航海3日目の朝、
視界が
「おかしいな……この海域では、こんな
ガランが
「船長、針路はどうします?」
「このまま進むしかないだろう。だが、
ガランの命令で、全員が
そのとき、
「なっ……!?」
シャルが
「何だ?
ガランの声が
「あっ……!」
「ミュウちゃん!」
シャルの手が
シャルの手の温かさが、
「これは……
ガランの顔が青ざめる。その目は、何か
「船長! あれを見てください!」
船員の
それはゆっくりと、しかし確実に船に近づいてくる。水面を
「あ、あれは……!?」
シャルの声が
その
「で、で、で……でっかーーーーい!」
「クラーケンだ! 全員、
ガランの
海の
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