第63話 交易祭を守れ!
翌朝、
サンクロスの朝は早く、
様々な人々が
集会場に着くと、すでに大勢の商人たちが集まっていた。
木製の
ガストンさんが
「やあ、
ガストンさんは
「みなさん、こちらが
交易祭の間、我々の護衛を引き受けてくれるそうだ」
多くの視線が
すごくジロジロ見られている……。MPが残り1/3くらいだ……。
視線の重さが、まるで物理的な重さのように感じられる。
そんな中、シャルが一歩前に出て、元気よく
「はじめまして! あたしはシャル、こっちは相棒のミュウちゃん。
シャルの明るい声に場の
商人たちの間から、小さな
その音が
その後、具体的な警備の計画が話し合われた。
交易祭の規模、会場のレイアウト、警備の配置など、細かい点まで
集会が終わると、さっそく準備に
交易祭まであと三日。
その間に警備態勢を整え、
「よろしくな、シャルにミュウ!
南方の
「へー! あたし
「へぇ、東方大陸か。船旅がうまく行くといいな」
サンクロスの街並みは日に日に
通りには色とりどりの旗が
広場には大きなステージが組み立てられていた。
パトロールの合間、シャルは
「ねえミュウちゃん、すごいよね。こんな大きなお祭り、初めて見たよ」
シャロウナハトでも祭りを見たけど、こんなに大きくはなかった。
空気中に、期待と興奮が
三日間の準備期間は、あっという間に過ぎた。
その間、
しかし、時折聞こえてくる
そして、いよいよ交易祭初日の朝を
夜明け前から、
世界中から集まった商人たちが、次々と
テントを張る音、商品を並べる音が、朝もやの中に
祭り用の食べ物が焼ける
それらの
シャルは大きな
「それではこれより、サンクロス第108回、交易祭を
朝日が
その
人々が次々とメイン会場に
色とりどりの
その熱気と
人々の体温と
シャルが興奮気味に話しかけてくる。
「すごいね! こんなに人が……あ、ミュウちゃん見て! あそこの
シャルの指さす先には、宝石のような
店主はカラフルな服を着た老人で、頭には角が生えていた。にこやかに客たちに応対している。
「ちょっと見に行ってもいいかな? 警備の
世界中の
目にも
東方の絹織物、その
南国の花みたいな
北方の毛皮、その
そして見たこともない
どれもこれも目を見張るようなものばかりだ。
シャルは目を
時折商人たちに話しかけては、その品物の由来や
そんな中、ふと気になる会話が耳に入った。
周囲の
「おい、聞いたか?
「マジか? やっぱりアイツらの仕業か?」
「警備を強化したって言ってたのに、まだ動いてるのか……」
シャルも表情を
「やっぱり、アイツら動いてるみたいだね。気をつけないと」
周囲の音や
そんな
通りには音楽隊が現れ、
「なぁにミュウちゃん、ああいうの好き?」
「!?」
そ、それはどういう意味で……!? たしかに
かすかに顔が熱くなるのを感じる。シャルがそれを見ながら楽しそうに言った。
「あはは! ねえミュウちゃん。こんなお祭りがずっと続けばいいのにねぇ」
しかし、その願いも
「
人々が
「ミュウちゃん、あいつだ!」
シャルが
その足音は、祭りの
シャルが
「こっちだ!
シャルと
「ミュウちゃん、あっち!」
シャルの指さす先に、荷物を
シャルは
「待ちなさーい!」
シャルの声に男が
男は
それを障害物にして、
「ちょっと! なんてことすんの!」
シャルが
それをただの障害物みたいに……。
(物体回復
「ナイスミュウちゃん!」
障害物がなくなり、
少しずつ
(シャ、シャル足速っ……! 見失わないようにしないと……!)
そう思った
「きゃあっ!」
その
「やったー!
シャルの勝利の声が
その
「いたた……あ、あれ? 痛くない……?」
女性が不思議そうに自分の体を見回す。
しかし、そんな喜びも
「チッ、こんなところで……
男がポケットから何かを取り出そうとしているのが見えた。
金属の
「シャル、危ない……!」
それが地面に落ちた
「げほっ、げほっ……! くそぉ、どこだ!?」
シャルの
(このままじゃ……!)
(状態異常回復
青白い光が辺りを包み、シャルや周りの人たちの
「おお、ミュウちゃん! ナイス!」
しかし、これだけでは不十分だ。
(状態異常
今度は
これで、
つまりシャルも、
「よし、ハッキリ見える! ありがとう、ミュウちゃん!」
「ぐあっ!」
「はぁ、はぁ……今度こそ
シャルの顔には、達成感に満ちた
「やった!
「ありがとう警備隊!」
人々の
「シャル、ミュウ! 無事か!?」
「
シャルが得意げに言う。ガストンさんは
「本当にありがとう。君たちのおかげだ」
その後、
「首領も
その報告に、周囲から大きな
その声が、まるで波のように広がっていく。
シャルが
「やったね、ミュウちゃん! 祭りの
「……?」
「ハイタッチだよ! ほらほら」
手の大きさも
その後、ガストンさんが近づいてきて
「本当にありがとう。君たちのおかげで、交易祭を守ることができた。
「ありがとう! でも、お祭りはまだ終わってないよね? 最後まで気を
その言葉に、ガストンさんは温かく笑った。
周りの人々は
テントを立て直す音、商品を並べ直す音が聞こえてくる。
交易祭は、一時の混乱を
人々の
長い一日になりそうだ。
交易祭は、まだまだ続く。東方に向かう情報は得られるだろうか……?
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