第51話 戦争開幕!
アーケイディアの街並みが、一夜にして様変わりした。
平和な日常を送っていた人々の表情に、不安の色が
夜風に乗って、遠くで行われる訓練の音が聞こえてくる。
その
中央には大きな
書類に目を通すシャルの顔に、
……なんだか、クールな表情のシャルを見ると
「ねえ、ミュウちゃん。この報告書、ちょっと変じゃない?」
シャルが差し出した羊皮紙に目を通す。
アランシアが
グレイシャル
「……?」
でも、何が変なんだろう?
ええと……
装備はいずれも
「??」
「グレイシャル
窓
「そうよ。実は、グレイシャル
「へぇ、なんでなんだろ?」
シャルの質問に、今度はロイドが口を開く。
「100年前、グレイシャル
その結果、多くの
しかし、ある日
そして、平和な時代が続いたせいで、兵器不要論が加速し軍事力は
ロイドの声に、
「へぇ~。じゃあ、今回の戦争も意外と大したことないのかな?」
シャルの楽観的な言葉に、ロイドが首を
「そう簡単には考えられない。
……アリアが現れてからのグレイシャルの
「え……」
「ぜ、全戦全勝!? それマジで!?」
その
「作戦会議を始めよう。
そこには、軍の将軍や
ルシアン王が、中央の大きな地図の前に立つ。
地図は細かな地形や地名が記された
「諸君、我々は今、
グレイシャル
シャルの
「確かに、グレイシャル
その言葉に、
アリアの姿が
「過去の記録によると、グレイシャル
ルシアン王の声が、重々しく
「戦局が
そして、その
その言葉に会議室が
将軍たちの間から
「ドラゴンだと? それが
「ドラゴンと言っても、強いものも弱いものもいますが……とはいえ、国一つを
「それが聖女の力で
ルシアン王は手を上げ、
「
我々は、最悪の事態を想定して準備しなければならない」
ルシアン王の視線が
「ミュウ、シャル。お前たちの力がこの戦いの
特にミュウの回復
「あたしたちに任せて! 絶対に負けないよ!」
シャルの力強い声が
周囲の将軍たちの表情が、わずかに
「よし、では具体的な作戦に入ろう」
ルシアン王が地図を指さす。
そこにはアランシア王国とグレイシャル
地図の上で
「まず、国境付近の警備を強化する。そして、万が一の際の
作戦会議は続き、夜が
……作戦会議が終わり、
「ミュウ、少し待ってくれ」
箱の表面には、複雑な
「お前の
箱を開けた
白銀の
「これは『
お前の回復
「……!?」
そ、そんなもの受け取るわけには……!
「受け取りなさいよ、ミュウ。兵士の装備を強化するのは国として当然でしょ?」
そ、それはそうかもしれないけど……!
リンダの声には、少し
「そういえば、ミュウちゃんってなんか木の
そんなシャルの何気ない問いかけに
思い返せば、その
「
「……!?」
そ、そうだったの!? 全然知らずに
もしそうだとすると、この
……そう聞くと、興味が申し訳なさを上回ってしまう。
「あ……あり、ありがとう、ございます……!」
「ふっ、リンダの言ったとおりだ。ミュウには
シャルが目を
「すごーい! ミュウちゃん、その
「さあ、
君たちは
金属質な
■
それから数日が過ぎ、意外と現状
軽い訓練を終えて
「
伝令の
ルシアン王の表情は厳しく、
「グレイシャル
シャルが一歩前に出る。
「あたしたちも行くよ!」
王は少し
「わかった。だが、無理はするな。
船内は
窓の外では、夕焼けに染まった空が広がっていた。
飛行船の内部は、想像以上に広かった。
中央には大きな操縦装置があり、そこから
飛行船は高速で国境へと向かう。
風を切る音が
「ミュウちゃん、
シャルの声に顔を上げると、
空を飛ぶ乗り物なんて初めてだから、少し
「
シャルは
眼下には森や草原が
風に乗って、かすかに草の
やがて、件の国境の村が見えてきた。しかし、その光景に
村は
家々は
「あれは……!?」
シャルの声が
全身を
そして
「あの
背筋が
(アリア……?)
そう。
それが
飛行船が着陸態勢に入る。高度が下がり、
「行くよ、ミュウちゃん!」
シャルの声に、
熱気が顔を包み、
目の前には、
戦いの幕が、今まさに上がろうとしていた。
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