第52話 最初の一戦
「うわっ、ペッペッ! もー、何なのこいつ!」
村の家々は
木材が折れる音、石がぶつかり合う音。
そして、悲鳴と苦痛の声があちこちから聞こえてくる。
「くそっ、好き勝手してくれちゃって!」
シャルの
その背中で、赤い
その動きに合わせ、
白い
「はぁぁっ!」
シャルの
空気が
しかし、
「なっ!?」
シャルの
風を切る音と共に、
(シャル……!)
まだ回復は不要そうだが、いつでも
このままでは勝ち目はないかもしれない……!
「
リンダだ。
火の粉が散り、
灰色の
「
リンダの
「
「
同じ飛行船に乗っていたアランシアの兵士たちも、
「グオオオォォッ!」
しかし
その
逆に、
悲鳴と共に、
(このままじゃ……!)
一方でその目は
(理性を失ってるんだ……。おかしくなってる……)
――その
(おかしくなっているなら、正常に
冷たい
(状態異常回復
「ウッ……!?」
うめき声が聞こえ、その声は人間のものに近づいている。
「……!? 動きが止まった!?」
シャルの声が
「――ウオオオォォォッ!」
しかし、足りなかった。
かなり強い
(だったらもう一度……!)
シャルとリンダは必死に戦っている。
アランシアの兵士たちも、
悲鳴と
(
「
「!
「止めろ!
そんな
「ミュウちゃんっ!」
シャルの
風を切る音が耳に届く。やばい、かもしれない。これは……っ。
「
灰になった矢が、風に乗って散っていく。
(リンダ……!)
「さぁ、やりなさい!」
体中の
これまでの木製の
「状態異常、大回復
まるで生き物のように
その光は
光の波動が空気を
「グオオォォ……!」
その声は
光の中で、
灰色だった
周囲は息を
その
そして――
「は……はぁっ……!」
元の姿に
目の赤い光は消え、混乱した表情で周囲を見回している。
「あ、あれ……?
まるで長い悪夢から覚めたあとのようだ。その声には
(やった……!)
しかし、その
「くそっ! 何をした!」
「聖女様の加護を無効化したのか……!?
「させるかっ!」
シャルの声が
空気が
「ありがとミュウちゃん! こっからはあたし
その言葉にリンダは
その背中から強い意志が感じられ、
「任せなさい。ミュウ、あんたは休んでて」
その言葉に
冷たい地面の温度が
周囲では激しい
それらが混ざり合って、ひとつの
「どおりゃああああっ!」
シャルの
一方、リンダは
「
悲鳴と共に、何人もの兵士が
アランシアの兵士たちも合わせて
戦いは、
やがて、グレイシャルの兵の大半が武装解除され、投降の意思を示し始める。
「降参だ! もう戦わない!」
「ぐう……アリア様、どうか我々をお守りください……」
兵士たちの声があちこちから聞こえてくる。
戦いの
足がふらつき、よろめきそうになる。頭がクラクラし、
「ミュウちゃん!
シャルが
「……うん」
「よかったー、安心したよ! リンダもありがとね、ミュウちゃんを守ってくれて!」
「べ、別に。必要だからそうしただけよ」
リンダはどこか照れたように視線をそらした。
「とりあえずなんとかなったね。
シャルの明るい
その
戦いは終わった。しかし、村の
そして……
アランシアの兵士たちが、負傷者の救助と遺体の収容を始める。
悲しみの声と
「村長! 村長はいるか!?」
アランシアの兵士の
その声に反応して、
「わ、
老人の声は
服は
「
青白い光が村長を
光が消えると同時に、村長の顔から痛みの色が消える。
「あ、ありがとう……」
村長の声に力強さと
「この村もここまでか……」
その言葉に、胸が
リンダが近づいてきて、
「そこの
「ねえ、聞かせて。アリアって、一体何者なの?」
シャルの問いかけに、
その目には、
「……
「ま、とりあえずこの人たち連れて
「ええ、一応……速度は落ちますが、可能かと」
気にした様子もなくアランシアの兵士と話し始めたシャル。
その様子に、
「なぜ我々を殺さない……。これは戦争だぞ」
「えー、
シャルは
その表情は、まるで難しい問題を解こうとしている子供のよう。そして――
「んー……気分じゃないから!」
…………そう答えた。そ、そっか……。
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