第48話 なんかガラが悪くて優しいやつら
「くっ……
神
木々の間から
森の中で、重装備の
金属の
混乱していた
対するは、シャルが率いる
風に
(あの人たち……シャルが集めてきたの? え? 何者?)
リンダとロイドも、
シャルの赤い
「さぁ、みんな! あたしの大切な
その声に呼応するように、
その声は森全体に
「おうよ! お前の話を聞いて、ここまで
「今助けてやっからなァ! ミュウちゃんよォ!」
(なななななななな……なんであの人たち
シャル、なんて言ってこの人たち集めたの!?)
しかし、考えている
森が戦場と化す中、
周囲には血の
「くっ……!」
(中回復
傷が
「お、おお……! これが
MPはもう残り少ない……。頭がズキズキと痛み始める。
「ちょっと、無茶はやめなさい。回復なら
「……」
リンダの言葉に
激しい戦いの中、シャルの姿が目に入る。
「ふんっ! はぁっ!」
シャルの
その
空気が
そんな中、シャルと目が合った。
「ミュウちゃん、ちょっと待っててね! すぐに終わらせるから!」
そう
(シャル……。元気そうだし、
……が、同時に頭が痛む。
いや、その。助けに
なんで
戦いは激しさを増していく。
兵士たちは数で上回るものの、シャルたちの勢いに
地面を
そして――
「くそっ!
……足音が遠くに行き、
まだ体がふわふわしている気がするが、とにかく……勝った。助かったんだ……!
戦いが終わると、シャルは一目散に
「ミュウちゃーん!」
「ぐっ……!」
支えきれずに、2人して雪の中に転がってしまう。冷たい雪が服の中に
「
シャルの声には、
「……」
あと意識飛びそうだから
「そっか……良かった」
シャルはホッとした表情を見せると、ようやく
「あ、そうだ!
シャルは、
「みんな、この子がミュウちゃんだよ! ほら、
「ゲヘヘ! 初めまして聖女様!」
「うわ、ホントに小せえじゃねぇか。こんな子供が、あれほどの
「おい、失礼だぞ! 聖女様になんてことを言いやがる!」
片目が
(
そんな
「ミュウちゃんと
でも1人じゃ無理だし、
「はぁ!?」
思わずリンダが声を上げる。
「そしたらそこで出会ったのがこの面々! 最初は
シャルは照れくさそうに頭をかく。
「2人の
「シャルもミュウも
「ゲヘヘ……
(め、めちゃくちゃ
見た目と「
そんな中、リンダとロイドがポカンとした顔で近づいてきた。
「あなたがシャルね? ミュウから聞いてたわ。それに、グラハムのギルドで何回か会ったわよね」
リンダが
「おおっ、久しぶり!? なんでここに!? ていうか、もしかしてミュウちゃんを助けてくれたのってリンダなの!?」
「ちょ……う、うるさっ! 何この勢い、よくミュウが平気だったわね」
「あたしとミュウちゃんは強い
「…………」
「ミュウちゃんっ!?」
目をそらした
まぁ、うん。慣れたよ。
「あー……では改めて、町に向かおうか。まずは体制を立て直そう」
グダグダになりかけた空気をロイドが
■
町の外れにある小さな広場のベンチで、
周囲には古びた建物が立ち並び、遠くから市場の
「まずは服だな」
ロイドが
灰色の
思い返してみたらこれ、死体が着てたやつだし……。背筋が寒くなる。
「そうね。このままじゃ
リンダが同意する。
「よーし! じゃあ服を買いに行こう!」
シャルが元気よく
「ちょっと、大声出さないで」
リンダが
「あ、でもさ。このままじゃ店に入れないよね」
シャルの言葉に、全員が顔を見合わせる。
確かに、
「う~ん……」
シャルが
「ハッ! ならあたしが買ってくるよ! ミュウちゃんの服のサイズなら
そうだね、それがいいかも……なんて思っていたがちょっと待って。
サイズを
「助かるわ。
リンダが
「じゃ、行ってくるね!」
シャルは勢いよく走り出す。
しばらくして、シャルが大きな
「はい、これ! ミュウちゃんの分ね! こっちのがリンダの!」
シャルが
「
シャルが指差した場所は、建物の
路地の行き止まりまで入ると、シャルが後ろを向いて立った。
とりあえず、これで
そして……レースの付いた下着?
(な、なんで下着まであるの……)
顔が熱くなるのを感じながら、急いで
布地が
サイズの合っている服っていいなあ……。
「終わった?」
「……うん」
シャルの声が聞こえ、
「おぉ~! ミュウちゃん似合ってる!」
シャルが
「ねえねえ、ちょっとくるって回ってみて!」
「……」
やや短めのスカートが風で持ち上がり、
「きゃー!
シャルが両手を
その様子は、まるで人形遊びを楽しむ少女のようだった。
(シャル、楽しそう……)
心の中でため息をつき、
リンダも新しい服に
ロイドが地図を広げ、今後の行動について説明を始める。
地図の紙は日に焼けて黄ばんでおり、
「ここから亡命するべきだ。
「亡命か~。まぁしょうがないよね。
そういえば
「ここからアランシア王国との国境まで、およそ2日の行程だな。しかし……」
ロイドの声が
「しかし?」
リンダが問いかける。ロイドは深いため息をつく。その息には、
「
その言葉に、場の空気が重くなる。
風が
「そっか……
シャルが
そこには、
インクの色が少し
(どうすれば……)
考えに
「あ! そうだ!
全員の視線がシャルに集中する。
「
「なるほど……それは良いアイデアかもしれん」
ロイドが
「でも、それって危険じゃない?
リンダが心配そうに問いかける。
確かに、
「
シャルが力強く言う。その声には、強い
そ、そうかもしれないけど……。ホントにぃ……?
とはいえ、
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