第47話 再会の時
青白い光が収容所内を
まるで月光が降り注ぐかのように、
その光は、冷たい
空気が
「な、何だこの光は!?」
兵士の
「大いなる
周囲の空気が
「
体力と精神力の両面を、できる限り回復させる
体の中から
光は
空気中に
「うっ……!」
でも、まだだ。もう少し……!
周囲の
その声は、希望と
「お、おい!
「痛みが……なくなった……」
「なんだ、この
骨折していた
それだけではない。
長年の
「くっ……」
「何だこの感じ……心が軽くなるようだ」
「
絶望に満ちていた目に、再び希望の光が宿る。
その
「ミュウ!」
リンダの声が聞こえる。その
視界がぼやけ、頭がクラクラする。
周囲は
回復した
「もうこんなところにいられるか!」
「調子に乗りやがって!
「何だこいつら! こ、これは反乱か!?」
「
兵士たちの
しかし、その声はすぐに
金属がぶつかる音、
……や、やばい。
「何やってんの!? とにかく今のうちに
リンダが
その背中
「待て!
後ろから追いかけてくる兵士の声。
でも、その兵士はすぐに
「行け!
リンダは
足音が石の
警報の音が
「くそっ、出口はどこよもう……!」
リンダが
「こっちだ! 早く!」
見知らぬ男性の声。そちらを向くと、1人の中年の男性が手招きしていた。
「あなたは!?」
リンダが
「説明している
男性は
リンダは
男性がその
「さあ、早く!」
男性に
「はぁ……はぁ……」
リンダが
足がガクガクと
「無事に出られたみたいね」
リンダの声には、
「ああ。だが油断は禁物だ。ここから先は
男性が周囲を
「そうね。でも、その前に……あなた、
リンダが男性を見つめる。
男性はしばし
「
その言葉に、空気が
「だ、大臣!? そんな人がなんでこんなとこにいたのよ!?」
リンダが
「
ロイドの声には、
「……それで収容所送り? グレイシャル
リンダが
草木が体をこする音、足音を消そうと
遠くで警報の音が
■
木々の間から
その光は暖かく、
昼どきの森は静かで、時折小鳥のさえずりだけが聞こえてくる。
その鳴き声は、まるで
さっきまでの
その音は、
「ここまで来れば、しばらくは
ロイドが立ち止まり、周囲を見回す。
リンダが
「ふぅ……少し
リンダの声には
額に
その光景に、
「ああ、そうしよう。それに……」
ロイドが
「2人の事情も聞かせてもらいたい」
リンダが小さくため息をつく。その息は、白い
「まーそうね……どこから説明したもんかしら」
リンダは自分がどうしてグレイシャル
話す間、周囲の空気が少しずつ変わっていくのを感じ、ロイドの表情が
「なるほど……この子が、他国から
ロイドの言葉に、
注目されるのは相変わらず
「ねえ、あなたも
リンダの問いかけに、ロイドは深くため息をつく。
その表情には、深い悲しみが
「……
ロイドの声は低く、重々しい。その声に、過去の栄光と現在の
「数年前まで、グレイシャルは平和な国だった。いつでも雪の
しかし、ある日
木々を
「聖女アリアが現れてからだ」
その名前を聞いた
「アリアの出現と共に、
他国への
リンダが息を
「その聖女
「アリアが、
連れてこられた聖女は、
ロイドの言葉に、
鳥のさえずりも
「
ロイドは
長年の
「ねえ……その聖女アリアって、本当に聖女なの? どうかしてるじゃない」
リンダの声には、
ロイドは
「……正直、わからない。しかし、
それと、聖女アリアは100年前に――」
……あ。
「ふっ……もうお昼時ね。何か食べましょうか」
リンダの声には、
「何もないぞ。お前さんら
ロイドが立ち上がる。その動作には、まだ若々しさが残っている。
「このまま森を
そうして立ち上がり、歩き始めたその時だった。
「そこまでだ! 止まれ!」
そこには、十数人の兵士たちがいた。
その金属音が、森の静けさを破る。
中心に立つ
「聖女に、元大臣のロイドか。よくもここまで
男性の声には殺気が
「……
ロイドが
リンダは
「もう
そしてその次は
……MPはもうほとんどない。体の中の
ロイドも武器は持ってないし、リンダも
どうしよう。戦う手段がない……! これじゃ、ホントに
絶望感が体じゅうに
その音は、大地を
「どりゃあああっ!」
その声とともに、青白い光が森を
木々を
その声とその光は、
体中に電流が走ったかのような感覚。この声は。この光は……!
「チッ……何だ!?」
その
「あいつは……っ!?」
リンダが思わず
まさか、本当に……。心臓が高鳴り、体が熱くなる。
「――シャル!」
「待たせたね、ミュウちゃん!」
シャルはそのまま木の幹を足場に
地面の雪が
その姿が、
シャルの体から発する熱が、
「ミュウちゃん」
シャルの声が
まるで暖かな毛布に包まれたような安心感が全身に広がる。
それでも、シャルに向かって手を
「ごめんね、
シャルが近づいてくる。その目には
太陽の光を受けて、その
「でも
シャルの言葉に、
これまで必死に
「シャル……」
かすれた声で、やっとの思いで言葉を
シャルが
シャルの体温が、
「よく
シャルの声が耳元で
目が熱くなって、
「お、おい! なんだこいつらは!?」
「
金属がぶつかり合う音、
シャ、シャルが連れてきた
周りでは戦いが続いているが、もはやそれさえも遠い世界の出来事のように感じていた。
シャルの存在だけが、今の
「さあ。
シャルの声に力強さが
「……うん!」
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