第39話 夢の中で
目を開けると、そこは
古びた木造の家。
窓から
そう、ここは……
「ミュウ! またお前は!」
がたんと音を立てて開いたドア。
そこに立っていたのは、赤ら顔の
「お前、また何も言わずにじっとしてただけなのか? 客に
父の大きな手が、
「ご、ごめ、なさ……」
かすれた声で
「何度言えばわかる! ちゃんと
父の手が
……しかし、その痛みは
「あなた! やめて!」
母の声だ。
「チッ」
父は舌打ちをすると、
「もういい。こんな役立たずはいらん」
父の冷たい言葉が、
足元はぬかるみ、冷たい
しばらく歩くと、父は立ち止まった。
周りを見回すと、そこは人気のない森の中だった。
「ここでいい」
父はそう言うと、
「もう、家には
そう言い残すと、父は
その背中が、
寒さと
(寒い……
……もうだめだ。
そう思った
(……?)
ふわりと、まるで
その光は
現れたのは、長い
「
「君に力を
「……?」
「
その声は、まるで太陽の光のようだった。
温かく地を照らしながら、
「
君が望むならば、世界を
……だけど、
「
「……
「
「
「…………」
そんな思いを
「……そうか。わかったよ。なら君に
再び手が
「決まりだね。これからは
マーリンは
その
光の中を歩む
やがてその光が
「ここが
マーリンはそう言って、
家の周りには色とりどりの花が
「さあ、入ろうか」
「ミュウ、君にはこれからは
マーリンは
「でも、その前に……」
すると、今まで感じていた空腹感や
「どうだい? 少しは楽になったかな」
「……うん」
「これが
マーリンの言葉に、
それから、
最初は本を読むことから。
マーリンは
「言葉を発さなくても
ま、最初は
そう教えられ、
日々の
……ある日、マーリンは
その鳥は
「ミュウ、この子を
目を閉じ、心の中で強く念じる。
すると、かすかな光が
しばらくすると、鳥はパタパタと羽ばたき、空高く飛んでいった。
「
マーリンは満面の
その
(
それからというもの、
言葉を発することなく、ただ心で念じるだけで
そんなある日、マーリンは
「ミュウ、君にとっておきの
■
――時が流れ、
マーリンの教えの下、様々な
ある朝、いつものように
「ミュウ、
マーリンの表情は、いつもより少し厳しく見えた。
「君の成長は目覚ましい。もう、
マーリンはそう言って、窓の外を見やった。朝日が
「実は、
そして、そのためには旅に出なければならないんだ」
「ミュウ、君はもう立派な
同時に、さみしさも
「……行っちゃう、の?」
「ああ、そうだ。でも、これは別れじゃない。いつか、また会えるはずだ」
その言葉に少し安心する。しかし、同時に何か引っかかるものを感じた。
「でも……」
マーリンは言葉を
その
「いつか君と
マーリンは言葉を
「ミュウ、これだけは覚えておいてほしい。
君の力は、人を救うためにある。決して、
マーリンは
「はい……」
「よし、それじゃあ……」
マーリンは立ち上がり、
「さようなら、ミュウ。それから、
そう言うと、マーリンは光に包まれ、姿を消した。
残されたのは
窓から
(……あれ? 「
心の中で問いかけるが、答えは返ってこない。
それと、自分の
その
■
ゆっくりと意識が
冷たい石の
(夢、だったのかな……)
頭の中が
しかし、その
「マーリン……」
その名前を口にした
幼い
そこで出会った「
そして、
(……
今までなぜその
しかし、それが
(……そうだ、シャル!)
ふと
顔は苦痛に
「シャル?
近づこうとした
シャルの周りに、黒い
「よくぞ目覚めたな、小さな
どこからともなく、低く不気味な声が
「お前の悪夢は、とても美味だった。だが、なぜか
夢
「――シャルを、返して」
「いやいや、
その言葉に、
同時に、マーリンの言葉が頭をよぎった。
(君の力は、人々を救うためにある)
……そうだ。
深呼吸をして、
「シャルを解放してもらう」
「ほう、
その言葉と共に、シャルの周りの黒い
(
「――悪夢
その言葉と共に、シャルの体が青白い光に包まれる。
黒い
「なっ!? これは……!」
夢
その
「はっ! ……ここは? ミュウちゃん?」
シャルは混乱した様子で周りを見回す。しかし、すぐに
「そっか、あの化け物と戦ってたんだ!」
シャルは
「くっ、まさか2人とも目覚めるとは……
夢
お
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