第9話 ギルド登録と初めてのお泊まり
ノルディアスのギルドは、町の中心部にある大きな石造りの建物だった。
その外観は
「わぁ、
シャルの声に、
中は意外と明るく開放的な空間が広がっていた。
絵画から
ギルド内部はたくさんの
受付には短い列ができており、
話し声や足音が入り混じり、
「へぇー、すごい人だね! もしかしてあたし
シャルの声に
「はーい、次の方どうぞー」
ドレスを着た
「こんにちは! あたしたち、ここの
「……っ!」
あ、
……口を
(ご、ごめんごめん……たしかに今のはちょっと余計だったかも!)
ちょっとどころじゃないよ。
気を取り直して、シャルは立ち上がって登録手続きをお願いする。
「はい、承知いたしました。では、こちらの用紙にお2人の情報をご記入ください」
受け取った用紙に必要
本当はもっと
あと特技って何を書けばいい……? 「回復」でいいの?
書き終わった用紙を提出すると、
「あっ、あとこれ! シャロウナハトでもらった
「はい、
「グレートナーガの
「その通り! あたしらはこう見えて
「しょ、少々お待ちください……!」
「グレートナーガって……A級の
「まさか。
「女2人で何ができるってんだ」
い、
周囲の
しばらくして、
「ありがとうございます。では、お2人とも
そう言って、
それぞれに小さな
「これがあれば、ギルド所属の証明になります。
シャルが「はーい!」と元気よく答える
「それから……お2人は実績を
念のため、B級からの登録とさせてもらいます」
「あ、そうなの? あたしはどっちでもいいけど……ミュウちゃんは?」
「すみませんね……シャロウナハトの村長を
「あー。素材とか全部村にあげちゃったしねー。
記念に
なるほど、素材を村が買い取ってたのか。4クラウンはその代金だったのかも。
それから登録が終わり
周囲の
「ねぇ、あの石像の件、報告した方がいいよね?」
何より、あの黒いフードの人物は明らかに
「すみませーん! あと実は報告したいことがあるんですけどー」
「はい、どのようなことでしょうか?」
シャルが石像事件について説明を始める。
説明を聞いていた
「……わかりました。これは重要な案件かもしれません。少々お待ちください」
そう言うと、
しばらくして
「
広場の
ギルドマスターの声は低く、落ち着いている。シャルは改めて事件の
アルバートは
「石の
「え? ギルドマスター、その組織のこと知ってるんですか?」
シャルが食いつくように聞くと、アルバートは少し
「
テロリストのようにあちらこちらで石を用いた事件を起こしているが、その要求すら明らかにならず、構成員もわかっていないのだ」
アルバートの
「……そういえば、君らは
「今回の件は、正式な調査
「もちろん! さっそくひと仕事だね、ミュウちゃん。
シャルは元気よく答え、
「よし、ではこれまでの事件の
解決、とまでは言わないが、構成員くらいは
アルバートはそう言って、
そこには
「
重々しい言葉とともに、
これから何が起こるのか、想像もつかない。
……あと、
そろそろどこかで休んだほうがいいかもしれない……。それを察してか、シャルはこちらに軽く
■
ギルドを出た後、
夕焼けの色が、
空気は冷たくなり始め、
「あ、あそこ見て! 『
(ほんとに石の
シャルが指差す先には、こじんまりとした二階建ての宿があった。
ただ、入り口の
中に入ると、フロントで
「すみませーん、
「ええ、1
「……!?」
「じゃあそれで!」
「……!?」
シャルが
「はい、2階の
「おばあちゃん、これって安いの?
高いの?」
「店員にそういうこと聞くかね。
建物の外観こそ石だが、内部構造は木造のようだ。古い木の
「あれ? ベッド1つしかないね。まぁいっか!
シャルは何も気にしない様子で、
「……っ!」
「どしたの、ミュウちゃん? 顔赤いよ? 熱でもあるの? それともそんなに
シャルが心配そうに近づいてくる。
「あ、あ、あの……べ、べッドが……」
「ん? ああ、1つしかないってこと?
そう言いながら、シャルは急に服を
「ちょ、ちょっと……!?」
「なに? ほら、1階のお
「い、いや、
「そう? じゃあ先に行ってくるね!」
シャルは無防備な
ドアの
(ど、どうしよう……)
今まで1人で
考えただけでも気が休まらない。
そんなことをあれこれ考えていると、しばらくしてシャルが
「ふぅ~、気持ちよかった! ミュウちゃんも早く行っておいで。
「……ぁ……ハイッ」
足音が
■
……のぼせそうになったお
「おかえり! さ、こっち
そう言いながらシャルは自分の
……
なんで!? そんな
……するとシャルはわざわざこっちに
(ヒエアアアアアア!)
「ほら、これがノルディアスの地図と
全身にシャルの体温を感じる。
耳元でシャルの声がして、言葉はほとんど頭に入ってこない……! シャルの
そんな
シャルの声が
「よーし、じゃあ
それから会議は終わり、シャルは何の
「ミュウちゃん?
「……」
夜ふかしは
どっちを取るべきか……とか考えながら、おそるおそる横になる。
ベッドが
あっという間にシャルの
(む、無理……
そう思いながら、
シャルの
だが不思議と、シャルの
体も
シャルの体温が、
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