第8話 石の町ノルディアス
「ミュウちゃん、あと少し
シャルの大きな声に、
長い道のりを歩いてきて、足の
死ぬ……。歩きで2時間とか、引きこもってた後衛職にやらせる運動じゃないよ……。
「ていうかミュウちゃん、あたしがグレートナーガとの戦いで
「……っ」
(道中で使っても、どうせまたすぐ
……これは
ヒーラーは、自分の
そしてどれくらい回復すれば元通りになるかもわかっている。
それ
(……でも、もう、限界……っ。
手足の
「もー、ミュウちゃんってばうっかりだなぁ! その
「……!?」
ち、
(……はぁ、もう)
ひとまず弁明は
ノルディアスは、まるで
いくつかの
日差しを受けて
町の入り口には、
その石には「石の町 ノルディアス」と
文字の周りには、複雑な
アーチの下を
「すご……」
思わず声が
「すっごいよねぇ! なんでも、地下にダンジョンができてて、そこから大量の鉱石が取れるんだってさ。
この町のほとんどの建物はその石から作ってるんだ!」
シャルの観光案内を聞きながら
カツカツという音が
道の
そのおかげで、石の街という
花の
道行く人々の
石工職人らしき人々は、
「ねえねえ、ミュウちゃん! あそこ見て!」
シャルが指さす先には、大きな広場が広がっていた。
そこでは、何やら
人々の
「石の広場」と書かれた
周りには大小様々な
「わぁ、すごい! ミュウちゃん、見に行こうよ! 広場にたくさん
シャルの声には
小さく
広場に近づくにつれ、石を
空気中に石の粉が
……でもあんまり近付かないようにしよう。体に良くはなさそうだ。
フェスティバル
小さな手のひらサイズのものから、人の
動物や人物、
石の質感も多様で、
中でも目を引いたのは、中央に
羽根
鳥の目は
「へぇ~、すっごいなぁ」
シャルが
広場を歩き回りながら、
シャルは特に力強い
一方、
指先ほどの大きさの花の
石とは思えない
「あ、ミュウちゃん!」
「ハッ! さ、
「おお……
シャルの声にビビって顔を上げると、確かに
焼きたてのパンの
広場から少し
そこでは、白いエプロンを身に着けた
パンの表面はカリカリに焼け、
「すごいいい
「あいよ!」
シャルが元気よく注文する。店主は
受け取ったパンは、まだ熱々だ。紙がなかったら手を
かじってみると、外はカリッと、中はふんわりとした食感。
「うまーい! ねえミュウちゃん、どう?」
シャルの問いかけに、
そんなふうに店の前でパンを
2人とも日に焼けた
「お
シャルが「うん、そうだよ!」と元気に答える。
「そうかい。ノルディアスを楽しんでいってくれ。興味があったら地下のダンジョンにも行ってみるといいよ」
「そこ、なんかあるの?」
「今はほとんど採石場になってるけど、たまに
「た……
(それより先にギルドに登録に行こう……?)
「そうだねミュウちゃん! やっぱりさっきの広場ももうちょっと見たいよね! 任せて!」
シャルは
……そんなに長い付き合いではないが、もう慣れたものだ。
パン、おいしいなぁ……。
■
新しい
空気中には石の粉の
「わぁ、すごい! 新しいのがいっぱい!」
シャルの声に、
車輪の
増えた
それは人型の
表面は鏡のように
(あれは……)
「どうしたの、ミュウちゃん?」
シャルが不思議そうに
「ん? あー、確かに変わった
シャルに手を引かれ、
これはやっぱり、なにか――
そのとき
「え!? うわ
シャルの
周囲の人々が光に
さっきまでと
「うわーすご!
(……変だ)
シャルや周りの人は
石像は
「うわっ!?」
それはあわや
少年が
「こいつ……!? もしかして敵!?
シャルが
石像は両手を
「みんな
シャルの声に、広場は大パニックになる。人々が
「ミュウちゃん、後ろに下がってて!」
シャルが石像に向かって
金属と石がぶつかる音が耳を
(まずい……このままじゃ
シャルの
しかし、
「くっ……
シャルの苦しそうな声が聞こえる。
石像の
(大回復
「ありがとう、ミュウちゃん!」
シャルが立ち上がる。その
地面を
「
シャルが
(なんとか動きを止める方法は……!)
ならば、
(物体修復
すると
修復される石の音が、カチカチと鳴る。
石像は
石がこすれ合う音が
「今だ!」
シャルが
石像の
シャルの足音が、
そしてシャルの
ガシャンという音とともに、その体は真っ二つになる。
石像の動きが止まる。そして、ばらばらと
大小様々な石が地面に落ちる音が、次々と
「よっしゃーっ! よくわかんないけど
シャルが息を切らせながら言う。
しかし、その
「おや、これは予想外でしたね」
低い声が聞こえ、
黒いローブを身にまとい、顔は深い
「ん? あなたは
シャルが
その表情が、
「
「石の
「ふふ、
男はそう言うと、歩いてどこかに行く。
その
「
シャルが
そのとき、町の
それぞれ、手に
「
「えーっとねぇ! まぁあたしも
シャルが
(『石の
なんだか
「ねえミュウちゃん」
シャルの声に顔を上げる。
「これ、ギルドに報告した方がいいよね? きっと調査
「よーし! じゃあさっそく登録がてらギルドに行こう!」
シャルの声に、
広場は
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