第4話 シャロウナハト
馬車が
「おっ、着いたみたいだね!」
遠くには緑豊かな
「ココがシャロウナハトか」
行商人の
馬車から
村を
下流のほうなのか、水の勢いは
水面に
水面には
水車の回転する音が、川のせせらぎと調和して
(水車か……本で見たことあるけど、実物は初めてだな……)
その動作に合わせて、パキパキ音が鳴る。馬車にしばらく
「はぁー! いい天気! いい
人目が気になって、
そんな中、1人の中年の男性が
温和な
「やあ、旅人の
男性は
「あっ、こんにちは! あたしたち、たまたま行商人の
シャルの声が
「ありがとう。
男性はシャルのマシンガントークにも動じず
……つ、強いッ。コミュ強だ……!
「さあ、どうぞ休んでいってください。行商人の
「ありがとネー村長サン! 商品たくさんあるヨー!」
「激ウマフルーツなどがあるヨ」
行商人たちは喜んで荷物を
(気まずい……どのタイミングで移動すればいいのかな。あっ、行商人の人の
そんな
「ねえミュウちゃん、この村ちょっと
(た、助かった……! うん、行こう)
これでコミュ
それに正直なところ、この村の水車や川のことも気になっている。
シャルと
足元の
道を歩く人々は皆、穏やかな表情で雑談をしている。皆がのんびりと過ごしていて、なんだか心が安らぐ気持ちだ。
都会と比べて人がいないから、私も楽かも……。
(でも、こんなに平和な村だと
うまいこと行商人の人と相乗りできたから移動費は節約できたけど、このままでは減っていく一方だ。
そうなるといずれどこかの
そんなふうに、日光の下で
「あっ! ミュウちゃん、あそこ見て! なんか
屋台からは様々な食べ物の
「行ってみよう!」
シャルは
体格差のせいなのか、性格のせいなのか、彼女は歩くのが速い。
おかげで毎回
市場に近づくにつれ、川の水音の代わりに活気あふれる声が増えはじめた。
そこには
野菜の
(へぇ……こんな小さな村でも、こんなに
シャルは
水面に
不思議と、心が落ち着くのを感じる。
(あ……なんか、いい
魚の口から
炭火で焼かれる魚の音と、
魚かぁ。
ギルドでは
「お~、うまそう! ミュウちゃんも食べたい?」
「ッ!?」
「あはは、びっくりしすぎー!」
び、びっくりした! さっきまで
目を白黒させながら息を整えていると、シャルが
「さっきはミュウちゃんも
「……?」
いいの? シャルもお金はそんなにないんじゃ……。
そんな気持ちを
「いま、あたしもお金ないんじゃって思ってた?」
「!?」
図星だ。すごい。もしかして精神を読む
「
シャルが焼いた魚の
……いい
そういえば朝から何も食べてなかったことを思い出す。お
それをおずおずと受け取り……シャルを見つめた。魚の温かさが手に伝わってきている。
「……ぁ……」
「ん? どしたミュウちゃん。熱い?」
「あっ……あ、あ……あり……がとう!」
……やだ……
でもとりあえず、感謝の言葉は伝えられた!
「へへー、どういたしまして!」
シャルが
とりあえず、魚の
塩が
中からは
「んー、おいしーっ!」
「いい食べっぷりだな、
「
「……っ!」
必死に魚を食べつつ、何度か
そのー……この
皮とか
歯と魚の
シャルはあっという間に魚を食べ終え、
物理職は歯も強いのかな。シャルの
首元から
……何見てるんだろう、
――そんなふうに魚や
周囲の
「そうねぇ……あたしゃ、また、あの化け物が現れるんじゃないかと心配で……」
「そうだね。でも、魚は取りに行かないと……」
緑の
2人の村人が小声で話している。
(化け物……?)
「化け物? まさか、この辺りになんかヤバいのがいるの?」
シャルの声が
喜んじゃだめだよ! 周りの人が
「あ、ごめんごめん」
シャルはさすがに空気を読んだのか、声のボリュームを落とす。
「でも、これって
が、次の
たしかに、仕事を
(
そう考えていると、さっきまで会話をしていた村人2人にシャルが
「ねえねえ! 化け物ってなに? なんか
あたし
村人は
「安心して! あたしは
「は、はぁ……それなら、村長さんに話をしてみてちょうだい。この村は、ちょっとした問題を
「ああ。すっごく大きな魔物が出たみたいでさ。冒険者を呼ぼうかって考えてて」
「おおー……! まさにあたしたちの出番だ! ねぇ、ミュウちゃん!」
シャルは目を
……代わりに私のMPがぐーんと減ったよ!
「じゃ、もっかい村長さんとこ行ってくるね! 行こうミュウちゃん!」
……もう
(やばいやばい。魚全然食べ終わらない!
かといって
『バカモン! 人の話を聞くときに魚を食うな!
(……こんな具合に
そんな不安が入り混じる中、
大きな魔物。その戦いの前に、私は魚と戦わねばならなかった。
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