ベースボーラーキングダム:01

BASEBALLER KINGDOM:EP01

熱中症と熱中少年団


「ええー! この炎天下で屋外練習に行くのぉー?」

「そだよ! メリハリ付けて白球追い掛けて来る!」

炎天下なので、屋外練習を危惧するのは当然だが

確かに沸騰期に突入した地球環境において

無理は禁物、無茶は厳禁だ!


彼女も応援団員として、彼の練習を観に行きたかったが

家族が制止に入り、あえなく断念……。


小郡下郷にある公立中学は、典型的なグラウンドで

ギラギラ陽射しを避ける遮蔽物一つない環境だ。

15分毎に水分補給の時間。

足りない子が出ないように、PTAが命の水……

クーラーボックスに入ったスポーツドリンクを

差し入れしてくれている。

水が尽きた時が、練習の終了!

そうやって、児童一人ひとりをケアしていく。


体育館のステージで寝ている男子、発見!

スマートフォンが鳴ったら、親御さんの車が到着。

バスケットボール部も、バレーボール部も居ない講堂で

単独行動に勤しむ野球部員A.

身勝手な行動のようで自己の命を守れているので、誉れ!

リムジンのような大型車が駐車場に停まり

クーラーがキンキンの車内から、スマートフォンを操作する

ビジネスマン風の男性。

「ビクン!」と海老反りになったあとで、二三言葉を交わし

少し内股格好で、ワックスが利いたツルツルの床を歩いて帰る。

スポーツバッグに背負われているようで、少し滑稽だ。

この調子で、依央利も迎えが来ているといいが。

自称:関門海峡を越えた男、勝良能収は我が子のために

迎えの車を出してくれるのか?

それとも、ふみえがドライブがてらLiFEを走らせるのか?

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