第10話:戦いの準備だぞ。
武装集団の男たちの一斉射撃がはじまった。
メイの動きがあまりに速かったため、ワルワルい男たちの目には彼女を捕らえる
ことすらできなかった。
すでに相手の攻撃パターンを学習したメイは一発も弾を受けることなく
ひとりひとり倒して行った。
メガトンパンチにギガトンパンチ・・・あげくはライダーキックまでメイは
繰り出した、
そのうちカメハメ波まで出すんじゃないかって勢いだった。
そして、なんとピンクの髪は金髪になっていた。
詐欺沼は、自分たちの精鋭が抵抗できずに減っていくのを見てビビった。
このままでは、まずいと思ったのか武装ヘリを要請した。
「おい、武装ヘリをよこせ」
それを聞いて、博士は地下シェルターに潜ってメイとネットを通じて連絡した。
「メイ、武装ヘリが来る・・・ここまで来れるか?」
「うん、博士、もうすぐ片付くよ」
「終わったらすぐ行く」
詐欺沼はすでに逃げていた。
勢いだけの男は尻尾を巻いて逃げるのも早い。
武装集団の最後の一人をかたずけたメイは博士のいるシェエルターに急いだ。
騒ぎがしずまった様子を見て、新一もシェルターに入るメイを見てあとを追った。
シェルターまでやってきた新一が言った。
「ふたりとも大丈夫?」
「大丈夫じゃ、今、反撃の準備をしてる最中じゃ」
「博士、いつこんな場所作ってたんだよ?」
「わしがサイボーグになったくらいの頃かの」
「近所の野田工務店にたのんで突貫でこさえてもらった」
「ここにいればミサイルが飛んできても安全じゃ」
「もうすぐ、やつらの武装ヘリが来るころじゃろう」
「メイ、これを右腕に・・・」
「なに、それ?」
「おまえ用に改良したハイパーキャノン砲だ」
「トリセツをインプットしてやろう・・・それで使い方が分かる」
そう言って博士はメイの右腕にハイパーキャノン砲を装着して
メイのAIにトリセツをインプットした。
ハイパーキャノン砲は比類なき射程距離と貫通力を誇る武器で
右腕には銃口を・・・そして右肩にユニットを背負う形になる。
かなりの重量だが、メイには重さなど関係なかった。
博士がメイのために作っていたのは、これだったのだ。
「このレバーを引くと銃口が伸びる、それからお前の体を支えるストッパーが
背中のユニットから出る」
「ただし撃てるのは、最初の一発だけじゃからの」
「チャージ時間が必要になるから二発目はすぐには撃てん」
「よう〜く狙って収集してしっかりトリガーを引け」
「分かったな」
「分かった」
すると遠くからヘリの音が聞こえ始めた。
「やつらきたみたいだぞ」
「メイは大丈夫なのか? 博士」
「おそらく機関銃はメイには通用せんことを奴らも知っている」
「だから、ヘリからミサイルを撃って来るじゃろ」
「やつらのミサイルをまともに食らったら、さすがのメイでもタダでは
済まんかもしれん」
「メイは初経験だからな、予備訓練もしてない」
「勝てるかどうかは、やってみんとわからん」
「メイ・・・死なないでくれ」
「大丈夫だよ・・・私は死なないから・・・アイシテルヨ、新一・・・」
「新一・・・おまえ・・平和なうちに何を教えとったんじゃ」
「博士も新一もメイが守る」
そう言ってハイパーキャノンを装着したメイはシェルターの外に出て行った。
「今の・・・愛してるって・・・意味分かって言ってんのかな?」
「戦いに勝ったらメイに直接確かめてみればよかろう?」
シェルターからは外の様子が見えないが、メイの目を通して外の様子をモニターで
確認することができるようになっていた。
新一は祈るような気持ちでモニターを見ていた。
「今回のことがうまく切りぬけたらメイはおまえに預けるつもりじゃ」
「ほんとに?、まじで?」
「おまえと一緒にいたほうがメイは楽しそうだし危険が少なかろう」
「わしはまた、わしの歳にあった、ちょっと若めの50歳くらい年下の 嫁さん
でも、作るわい」
「そうか・・・って、メイと歳あんまし変わんないじゃん・・・」
「若いにこしたことはなかろう」
「サイボーグになっても、脳みそは人間だから、そう言うことは変わんない
んだな」
「だから、人生楽しいんじゃよ・・・生きてるうちに楽しまんとな」
つづくぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます