第7話:うそ、サイボーグ?。
博士を連れて逃げようって言った新一の声はメイには届かなかった。
メイのAIはこいつらが悪い人たちだと瞬時に認識した。
「おまえらら・・・博士をいじめた・・・ゆるさないからね」
「メイ、危ないよ」
深呼吸するとメイは瞬きをする前に博士を撃った男に向かって飛んでいた。
何発か銃声がしたが、あと言う間に子分Aは建物の壁にはじき飛ばされていた。
するともうひとりの子分Bが機関銃を持ち出してきた。
「来るな、撃つぞ・・・」
そんなありきたりな言葉はメイには通じない。
メイは子分Bに向かっていった。
子分Bはビビってメイを撃った。
隠れる場所もなかったメイは機関銃の餌食になって蜂の巣にされた。
その間に新一は博士をひきずって被害が及ばないところろへ避難した。
「博士大丈夫?」
返事がなかった。
「死ぬなよ博士」
そう言いながらメイを見ると、機関銃の餌食になったにもかかわらず
倒れもせず立っていた。
メイド服に穴が空いただけでメイは平気だった。
メイの人工皮膚は機関銃の弾など通さないのだ。
機関銃ごときではメイは倒せない。
びびった詐欺沼と子分Bは、メイに飛ばされた子分Aをほって逃げようとした。
が、メイの動きは早く、機関銃を撃った子分Bがメイの強烈な飛び蹴りを
食らって吹っ飛んだ。
一瞬の出来事だった。
メイは詐欺沼を睨んだ。
「あはは、お嬢ちゃん強いね・・・おじさんは悪いことはしないからね」
「やい博士、覚えてろよ、このままで済むと思うな」
「顔を洗って待ってろ・・・ぜったい諦めんからな」
「じゃ〜ね、お嬢ちゃん・・・次はもっと強いのいっぱい連れてまた来るからね、
お邪魔しました〜」
詐欺沼はそう言って、子分ふたりを置き去りにして一目散に逃げていった。
悪いやつは、かならず、そんなセリフを残して去っていく。
もうそろそろ違うパターンにしたほうがいいと思うのだが、そのセリフがやはり
しっくり来る。
メイは平常モードに戻って、新一と博士のところに戻って来た。
「新一、博士、大丈夫か?」
「それよりメイ・・・メイド服、穴だらけじゃないか」
「見るな・・・恥かしい・・・」
「え〜〜〜〜まじ乙女じゃん」
「でも、びっくりしたよ・・・メイがあんなに強いなんて・・・」
「私は大丈夫だよ」
「それより博士は? 大丈夫?」
「それが息してない・・・」
「救急車呼ばなきゃ・・・」
「その必要はないわい・・・」
「博士・・・生きてたのか、脅かすなよ、このくそじじい」
「でもなんで、あんなに出血してたのに・・・」
「メイの言葉の先生が、そんな下品なことを言ってはいかんな」
「たしかにじじいじゃが、くそは余計じゃ・・・」
「くそじじい・・・あはは・・・うんこじじい」
「誰がうんこじじいじゃ・・・まったくクチが悪い子だわい」
「新一、おまえが余計なこと言うから・・・」
そう言って博士はむくむく起き上がった。
「どうなってんだ?、血が出てたぞ」
「血に見えたのは、あれはただの体液じゃ、心配いらん、また補充すればいい」
「こんなこともあろうかと、一年前、わしは自分の体をサイボーグに 作り変えて
脳みそだけ移植しといたんじゃ」
「まじで?、じゃ〜博士、サイボーグ?」
「メイがアンドロイドでわしがサイボーグ」
「俺は人間のままだでいいからな」
「遠慮せんでええぞ、しこたまマッチョに作り変えてやるぞ」
「遠慮しとく・・・」
「メイのおかげで一難去った」
「じゃが、これで諦めるやつらじゃない・・・また攻めてくるぞ・・・
油断するな、新一」
「メイもな・・・」
「分かった・・・うんこじじい」
「普通に博士と呼べ」
「うんこ博士・・・あはは・・・うんこ、うんこ」
「しんいち〜」
「いやいや、俺のせいじゃないからな・・・」
詐欺沼が連れてきた子分AとBは警察に引き渡されたが・・・ そのまま警察病院
送りになった。
とりあえず、このくらいではバッドボーイの連中は諦めたりはしないのだ。
つづくぞ。
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