第6話:バッドピーポー。
ここから先は映画やテレビによくある、いい人と 悪い人の典型的なやりとりです。
それは夕方のことだった。
「お邪魔しますよ・・・しばらくですな博士」
そう言って研究所に入ってきたのは詐欺沼という胡散臭いやつだった。
「なんじゃお前・・・勝手に人の家に入ってきて不法侵入だぞ」
「詐欺原とか言ったな」
「詐欺沼ですよ・・・お茶の水博士・・・」
「ワザとらしい間違い方しおって」
この詐欺沼と言うやつは、最近博士につきまとってる男で、見た目、顔色が
めちゃ悪くて病人みたいでげっそり痩せた骸骨みたいな不気味な男だ。
なんでもバッドピーポーとか言う組織の幹部らしい。
左右にふたりほど子分Aと子分Bを連れていた。
「おまえらに用はないぞ」
「いやいや、博士・・・先日いいもの見せてもらいましたよ」
「知らんわ、なんのこっちゃ」
「あんたんとこの可愛いお嬢ちゃん・・・メイドのコスプレした・・・」
「普通のかわい子ちゃんじゃなさそうですな」
「SNSで、頻繁に動画が流れてますよ」
「悪いことは言わんから、素直にお嬢ちゃんを引き渡してもらえませんかな」
「誰が・・・どうせおまえらメイを悪いことに利用しようと企んどるんじゃろ」
「さすが博士、頭の回転が早いし、話が早い」
「他人が作ったものを使わせていただくほうがコストがかかりませんからね」
「あの子を大量生産して欲しがってる国へ嫁入りさようかと思いましてね」
「そんな悪巧みは幼稚園児にでも分かるわい」
「なにもタダでよこせって言ってるわけじゃないんですよ」
「10億でどうでしょう?」
「まっぴらごめんじゃ」
「1000兆円積まれてもメイは渡さん」
「かえれかえれ、わしは忙しいんじゃ」
「手荒な真似はしたくないんですけどね」
すると詐欺沼の右横にいた子分Aが博士に近づいてきた。
博士は抵抗しようと机に置いてあった、デカめのバールを手にした。
「怪我をする前に帰れ!!」
「抵抗すると痛い目を見ますよ博士」
博士の怒鳴る声を耳にして工場の横のプレハブからメイが飛び出してきた。
「博士どうしたの?」
「メイ来るな、あっちへ行ってろ」
「おお、お嬢ちゃんちょうどよかった」
するとちょうど学校から帰ってきた新一が自分の家に帰らず、メイ会いたさに
研究所にやってきた。
博士とメイがなにやら誰かと話してるようなので新一は声をかけた。
「博士もメイも何やってんの?」
「悪人と戦ってるんじゃ・・・じゃからメイも新一も来るな」
「おい、そこの悪人A・・・わしに少しでも触れてみろ」
「脳みそに穴が開くぞ」
そう言って博士はバールを振り回した。
それにびっくらこいた子分Aが銃を抜いて威嚇した。
それがまぐれで博士に当たって博士はそこに倒れた。
「なにやってんだバカモノ、誰が撃っていいって言った」
「こいつが死んだら貴重な研究が手に入らなくなるんだぞ」
「博士・・・」
メイが博士に駆け寄った。
「博士、大丈夫か?」
新一も博士のところまでやってきて声をかけた。
見ると博士の腕から血が流れ出ていた。
「新一・・・メイを連れて・・・逃げろ」
「博士・・・博士を置いていけないよ」
「わしにかまうな・・・早く行け、メイをあいつらと・・・」
「おっと、お嬢ちゃんを逃がそうたってそうはいきませんよ」
「おまえらのために言っとるんじゃ」
「悪いことは言わん、何も言わず、立ち去れ・・・メイに手を出したら後悔する
ことになるぞ」
「たぶん、もう遅いと思うがな・・・」
「何をわけのわからないことを言ってるんだよ、死に損ない」
新一は博士とメイを連れて逃げようとメイを見た。
そしたら、そこに腕組みして仁王立ちしたメイが詐欺沼たちを睨んでいた。
メイは自分や大切な人がピンチになると、危険を察知して戦闘モードに入るのだ。 激怒したため髪の色はブルーからピンクに変わっていた。
こうなると、もう誰もメイを止められないのだ。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます