第5話:メイの存在は世間に 知れ渡る。
「毛がないのは軽四を運転してた、じじのほうだわ・・・」
「あ、博士もないじゃん、きゃはは」
「博士、この子、ダジャレも言うんだな?」
「メイを作ったのはダレジャ・・・ダジャレ・・・なんちゃって」
「だよな・・・」
八百屋で起きた事故の模様を商店街の防犯カメラ以外にもスマホで 撮っていた
やつがいて、それをSNSにあげたもんだから、 たちまちメイの存在は世間に
知れ渡ることになった。
そんな訳で、メイは連日テレビ局やら週刊誌の取材に追い回された。
ろくに応対できないメイに変わって新一が対応した。
中にはオタクの人たちもいたりして写真やサインをせがまれたりした。
文字もろくに書けないメイのサインは毎回書くたびに違っていた。
「まずいのう」
「メイの存在が、こんなに広まったら間違いなくあやつらに知られる」
「あやつらって」
「何年か前からしつこくわしの研究を盗もうと脅迫めいたことを言ってきてる
やつらがいるんじゃ」
「詐欺沼とか言う、胡散臭いやつが名刺を置いていったわ」
博士が取り出した名刺にはBad people「バッドピーポー」と書いてあった。
「自分らで悪人たちってアピールして分かりやすい組織・・・」
信一がバカにして言った。
「こやつらおそらく武器商人の組織じゃ」
「え〜、でも狙われてるって・・・博士の発明って、ガラクタばっかじゃん」
「バカモンが・・・わしがなにで生計を立ててると思っとるんだ」
「全部わしの発明品の特許料じゃぞ」
それはどうだか?
ほんとは博士の政治家だった父親が法律に触れるようなことして残した莫大な財産があったからだ。
政治家なんてのは、たいがいは悪いことをしないと、上にはのしあがれないのだ。
大きな企業もそういう政治家とつるむ。
持ちつ持たれつな関係でこの社会は成り立っている。
たくさんの資産、財産があって、研究費用に使っても減らないらしい。
博士がそんなに富豪だということは誰も知らない。
人は見かけによらないというだろう?
世の中には金持ってるのにホームレスやってる変わったやつもいたりする。
さてテレビ局らや週刊誌の取材が収まった頃、博士が言ったやから「バッドピーポー」たちが案の定、研究所にやっくることになる。
博士は誰の干渉も受けずに余生を過ごしたかったが、そう言う訳にはいかなく
なった。
まあ、悪いやつらが出てこないと、この話はなんの盛り上がりもないまま
ホームコメディーで終わってしまうから、悪人も出て来てもらわないと・・・。
まあ、のんびりサザエさん路線でもいいんだけど・・・。
あれだけ大ヒットしたら、いいよね・・・うらやましい限り。
つづくぞ。
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