第8話 中心軌道について
中心軌道について聞かれたので書きます。
物語における「中心軌道」は、ストーリーを貫く「葛藤の流れ」を指します。
これは、主人公、敵対者、環境などの関係をシンプルに抽象化したものです。物語の展開やキャラクターの動機を理解するためには、この中心軌道を抜き出すことが重要とされます。
抜き出すには、たとえば主人公をX、敵対者Y、環境などの関係性をZとします。
Xは過去を隠して生きることで、Z(現在の象徴)を手に入れています。そこへY(過去の象徴)が現れ、Xを本来の姿(未精算の過去)へと誘う。やがてZの状況が悪化。XはYを救うために過去を認めた行動を取り、Y(過去)を駆逐。同時にZも失う。Xは新たな本来の姿(未来)を求めて旅立つ。
これが、女性神話の中心軌道です。
自分が自身の本来の姿を認めることでなにかへと変わる主人公。
主人公が向き合うのは、抑圧された自分自身です。
他にも、男性神話や絡みとり話法や、メロドラマと同じ中心軌道などで書かれていたり、幾つかを組み合わせていたりして、物語が作られています。
小説における葛藤は、物語の進行やキャラクターの成長を促進するために不可欠で、読者の興味を引きつけるための重要な要素です。
アニメとかドラマ、映画でも、葛藤の流れが意識して作られています。
作品をみるとき、「この作品はどんな中心軌道でつくられているのかしらん」と思いながら見ることが多いです。
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