第7話
毎年、感想の書き方を変えています。
変えているというよりは、読みながら変わっていく、のが正しいです。
私が感想を書き始めたのは、二〇二〇年に活字が読めなくなり、荒療治として、やる気に満ちた高校生のカクヨム甲子園受賞作を読んだのがはじまりです。
読むだけでは失礼かと思い、感想を書き始めたのです。
当時の感想は、簡素なものです。受賞作といっても校正や修正が入るわけではないので、誤字脱字や文章の書き方が気になりました。
最近のラノベ応募作のように、その辺は寛大なのだと理解してから、そういうことは気にせず、作品に書かれていることを肯定する感想を書いてました。
偉くもないのに偉そうなことを言うつもりもないですし、作家さんはみんな、デリケートなものです。おだてるつもりはないですが、書かれてあることから、できる限り読み取って汲み取って、こういう見方もできるのでは、という感想を書くようになりました。
できるなら作者さんに役立つものにしようと二〇二一年から、主人公の葛藤の起動はどう描かれているのか、それぞれの型に合わせた見方をしながら書くようになりました。
男性神話なのか、女性神話なのか、絡め取り話法なのか、メロドラマと同じ中心起動なのか、などなど。
ただ、やたらと人が死ぬ作品が多くて、心身ともに疲弊して、病みました。
今の高校生は希死念慮を抱いてますからこんなもんですよ、と当時の高校生の子に教えてもらいましたけど、恋人や幼馴染、友人知人、自分自身と、本当に死ぬ作品が多かったです。
一般の賞でも自殺や介護、老人ホームなど、家の中の話の作品が応募数の半分くらいあると聞いたことがありましたので、カクヨム甲子園に死を描く作品が多くても、驚くことではないのです。
ただ、毎日そんな作品ばかり読んで感想書いていたら、気が滅入るどころではなかったです。
そこで、二〇二二年は、作品を選ぶようにしました。なるべく避けて読んで感想を書きました。おかげで、楽しく読めたので、活字が読めるようになりました。
二〇二三年は、本当は辞めるつもりだったのですけど、来年もお願いしますと言われて、わかりましたと返事して感想を書きました。
頼まれたので、三幕八場構成で書かれているかどうかをみながら、感想を書きました。大概、三幕構成で書かれていましたけど、感想を書く時間と手間がものすごく罹ってしまい、すごい負担になりました。
それでも昨年は三百三十くらいの作品の感想を書きました。過去イチでした。
でも二〇二四年の今年は、三幕八場の構成になっているのかは、あまり見てません。感想を書くのに時間がかかるのと、ショートは三幕構成でなくてもいいからです。ロングは、なってたほうがいいと思います。時間に余力があるときは見ます。
三幕構成のなにを見るのかと言うと、バランスです。
基本は、一幕、二幕、三幕を1:2:1で作るのがいいと言われます。
そのバランスが違っていても、導入と本編と結末があって、最初のツカミがよくて盛り上がりがあって、読後の余韻が良ければ問題ないと思います。宮崎駿の『君たちはどう生きるのか』は、三幕構成だけど1:2:1のバランスで作られていませんから。あれは、1:1:0.5みたいな感じだったと思います。
もし、盛り上がりに欠けるとおもったら、自分の作品はどういうバランスになっているのか確かめてみると良いです。
ちなみに、今年読んで感想を書いているのは、昨年頼まれたからです。でも、受験で忙しくて、作品が出せるかどうかわからないと書かれていました。
受験が第一、ですからね。
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