第5話 何かが違う?

おや?


この世界は、『イルミスタファンタジー』の世界ではないのか?


何かが違う?

まあ、違うのは、間違いないだろう。

何しろ、怪我をすれば痛いし、呪いを掛けられれば苦しいし、サリー達を抱いた時は最高に気持ちよかったし、死んでしまえば復活なんか出来もしないし。


あれ?

もしかして!

ゲームの世界と決定的に違うのは、サリー達を抱いてしまった事か?

全年齢対象ゲームだったからか、お色気サービスシーンこそ有ったけど、エッチシーンは皆無だったはず。


「………………………………………とっ、とにかく、わ、私もぅ、ぁ、一緒にぃ、い、行くんだからぁ、ね?」


何なんだ、この、可愛い生き物は?


「…………………………シャロは、俺の事は嫌いじゃなかったのか?」


「ん、嫌い、だったわよ。何しろ、アンタはチビでデブで不潔で、性格も悪かったからね。」


仕方ないだろう。勇者候補として王城に呼び出された当時は、ド田舎のガキだったんだからな。


…………………………ん、嫌い、だった?


「だった、て事は、今はどうなんだ?」


「………………………………………言えない、ていうか、言わないっ!」


「………………………………………もしかして、俺の事、好きなのか?」


「言わないったら、言わないのよっ!」


………………………………………そうか、俺の事、好きなんだな。


「で、俺の事好きなら、何であの時、断ったんだ?」


「ふぇ?な、なななな、な、何の、こっ、事かなぁっ、くっ、ぇ?」


………………………………………ますます可愛くなってきてるし。

虐めたくなってくるじゃないかよっ!


「決戦前夜に誘った時に、シャロは断ったよな?」


「………………………………………だったのよ?」


「え?」


「あの時は、女の子の日だったと言ったのよ!恥ずかしいから皆まで言わせるんじゃ無いわよっ!」


「え?」


て事は、アノ日でなかったら、俺とシテもいいと思ってたってことかな?


ところで、サリーとマヤ、それにメグミ王女に部屋付きのメイドさんまで、生ぬるい目で俺を見ているのは何でなのかな?

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