第4話 第一王女シャルロッテ

黒目黒髪の王女の手を引いて、騎士の案内で控室まで戻って来た。


「………………………………………あ〜、すまん、突然あんたを選んでしまって。」


「そうよ〜、サチはいつも、突然トンデモ無い事をするのよね〜?」


「そうよね〜、今回もヤッパリしでかしてくれてわね!」


マヤとサリーが戻って来て、俺をからかうように叫んでくれて。


「まあ、すぐに第一王女様が来るそうだから、それから打ち合わせしましょうか、これからの事を。」


あれ、第一王女、関係無いような?


「まあ、それはおいといて、お前達、綺麗だぞ?」


「………………………何で疑問形なのよっ!」


マヤに突っ込まれてしまった。


「もうっ、窮屈なのを我慢したんだからねっ!」


サリーは下級とはいえ貴族令嬢だろう!

ドレス姿くらいで窮屈なんて言うなよ。


「まあまあ、サチにしては上出来ではないかしら?」


「………………………………………何でシャルロッテ様がここにいらっしゃるのでしょうか?」


声を掛けたのは、第一王女、シャルロッテ様。

俺達勇者パーティーのお目付役として、約一年間行動を共にしていた仲間たけど。


「サチに聞きたい事が有ったからよ?どうして私を選んでくれなかったのかしら?」


………………………………………えっ?

シャルロッテは、俺の事が、嫌いだと思ってたからなんだけど。

まあ、俺の記憶が流れ込んでくるまでは、元の記憶の中のサチは第一王女を選ぶ気だったみたいだけど。

それ以前に、ついさっき記憶が蘇って?破滅を回避するためにやむを得ずなんだけどな。


「どうしてかって?シャルロッテには婚約者がいただろう。それに、決戦前夜に誘っても断られたしな。」


そう、魔王との決戦前夜に、サリー達に女の子としての経験無しで死ぬかもしれないなんて耐えられないと迫られて三人を抱いてしまったんだけど、念の為にシャルロッテにも聞いて誘ってみたら断られたしな。


「ぁ、そ、それっ、それはぁ、し、仕方ないじゃないのよっ、帰ってきたら婚約者を寝取られてたんだからさあっ!」

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