魔物と絶望感

「あ、旦那様おはようございますぅ!」


 現場に似つかわしくない小娘の能天気な朝の挨拶が響く。

 サラダ菜を朝食の足しにと菜園に摘みに来たら魔物が蠢いていたのだ。

 迷宮でもないのに魔物が?

 しかも軽い感じで小娘が逃したし。


「食事用のお野菜は採取しましたよ。え? 魔物? たまに出ますよ」


 唖然としている私に気がついたのか得意げに説明してくる。


「朝はサラダを作りましょう。そして昼用のスープを準備してみましょう」


 機嫌良く野菜カゴを抱く小娘がローレンス邸への帰り道を先導する。


「魔物が出るのは普通なのか」

「森に出ることは多いですが、街道上には出ませんよ。時折り間引きしておりますよ。ニューが」


 館には結界が張られていると認識していたがその上で魔物が出るのか。


「旦那様?」

「危険では?」

「安全ですよ? ローレンス邸におられる限りニューが全ての危険を排除しますもの」


 そこにあるのは完全なる安心感で。



「旦那様、旦那様。それは食べてはいけません!」


 自作した朝食に絶望を知った。



 ◻︎◽︎◽︎



『絶望/「おはよう」/帰り道』のキーワードを使って3ツイート以内で今日のネタを作りましょう。【フラグポイント:+1】


 #odaidegoal #shindanmaker

 https://shindanmaker.com/320594


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る