第38話 セーラー服の下は花吹雪

「んん‥‥‥」


 途端にくちびるが塞がれ、後にのけ反った。椅子ごと後ろに倒れそうになり咄嗟に彼に手を伸ばす。何かにしがみつかなくては床に頭をぶつけるから。


「ほうら、始まった!今ジュンは性欲が溢れて来て押さえられないのよ!。サキの隣に座っているだけでも勃起しちゃってるんだもん!」


「いいんじゃないかしら。サキちゃん、『24時間臨戦態勢』なんだから!」


 本当に勃起していた。それを今、手で掴んでしまったのだ。その堅牢さのおかげで、私は後ろに倒れずに済んだのだった。


 しかし‥‥‥、


 ──掴んでしまうなんて‥‥‥。愛理とこのみちゃんの前で、これを掴んでしまうなんて‥‥‥。サキ、あなたはなんてはしたないの。淫乱モード全開じゃない? 私はミス淫乱!


「我慢できないなら保健室に行く? フミカがベッド提供してくれると思うよ」


 愛理がジュンくんの耳元に囁く。


「いやいや、いいんだ」


 そう言いながらも、ジュンくんはくちびるを押し付けてくる。なかなか離そうとはしなかった。くちびるがもげそうなほど吸われ、噛まれた。彼の前歯から唇にしのびよる欲望にただただたじろぐのみだ。


ホックをはずしたセーラー服から侵入してきた手がふたつの膨らみを揉みだす。はじめは遠慮と戸惑いを見せていた手が次第に暴力性を帯びだす。


「い、痛いよ、ジュンく‥‥‥、ああ……、ジュン‥‥‥」

「サキ‥‥‥、サキ‥‥‥」


 セーラー服の前身頃がダラーンと垂れ、キャミがまくり上げられた。


 ダークデニム色のブラが露出する。愛理が試作品だと謙遜してたけど、私には結構お気に入りなのだ。躰にピッタリ合ってる。全然ズレや負担を感じない。圧迫されていないのに、しっかり支えられている感じ。カップ上辺の黒いレースがとてもお洒落だし、躰に立体感を付けて見せてくれるのだ。愛理の技術って本当にすごいと思う。


「私の作った下着つけてくれてるんだね。すごく嬉しいよ、サキ‥‥‥」


  視線をあげると、愛理がうっとりとしている。彼女だって女の子だ。褒められるとキラキラと輝く。気が強い面があるけど心はヤワなのだ。


「あっ……、ジュンくん……」


 双乳が彼の広い手のひらでブラの上から揉まれる。粘土のようにぐしゃぐしゃとこねられる。ブラが歪み、乳房が歪む。下から救いあげられるように何度も揉まれると、乳輪がブラからはみ出す。桜坂でジュンくんに注ぎ入れられた桜の花びらがひらひらと床に落ちる。


「す、すごいよ、サキちゃん……。桜の花吹雪! サキちゃんのセーラー服の下は花吹雪! すごい綺麗! すごいエロい! 最高! サイコー!」


 もともと美的感覚の繊細なこのみちゃんは極度の興奮状態だ。


「このみ。それ、フロントホック‥‥‥」


 愛理が顎をしゃくると、このみちゃんがブラの中心に手を伸ばしホックを外した。


 とたんに、充血して大きく膨らんだ乳房がはじけ出た。ブラからたくさんの花びらが「待ってました」とばかりに飛び散る。フワフワと舞って、ハラハラと床に落下する。


「きれい! サキちゃん、きれい!」


 ジュンくんが花びらが付着した乳房を揉みしだく。一年前はAカップだった乳房はこんなにも大きく膨らんでいる。自分のおっぱいが誇らしい。「おじいさん先生」の鍼灸術とお母さまと愛理の性感マッサージのおかげだ。


 私には見える。雪のように白いオッパイが充血してピンク色に染まっているのが。彼の荒々しい手で揉みしだかれているのが。丸い形が歪んでクチャクチャに犯されているじゃないか。こんなにイヤらしいおっぱいが自分のものだと思うとますます興奮してくる。


「ああ……、ジュンく……」

「サキ、愛してるよ」

「……っん、ジュ、ジュ、ジュンくん……」

「サキ……、綺麗だよ……、かわいいよ……」


 もっともっと揉んでほしい。ちぎれるくらいめちゃくちゃに揉んでほしい。ちょっと痛いけど、それでもジュンくんの欲望を受け入れてあげていると思うと、おおらかな感情が溢れ出てくる。きっとこれが母性愛なのだろうか。


 ああ、見て欲しい。ジュンくんの愛を受け、欲望を受け、母性愛に満たされている私のありのままを。痛いくらい鋭い視線で私の乳首をかき回してほしい。


 子宮がポツンッと弾けた。その振動が全身に伝わり、躰がキュウッと絞られる感覚があった。


 この瞬間を逃してはならない。子宮の疼きに呼応するように私は両脚を絡める。キュウーーーっと脚の付け根を絞り込む。すると、


「……んっ、……んっ、……んっ」


 躰の奥から突き上げてくる波動に合わせて腰が揺れてしまう。自分の意思じゃない。躰が勝手にそう動いてしまうのだ‥‥‥。


 両乳首を指先の高速の上下運動でなぶられた時、


「はうっ‥‥‥」


 小さくイってしまった。腰を3,4度しゃくりあげてしまった。


 下半身へのタッチもなしに、オッパイ愛撫だけでイってしまったのだ。


「サキちゃん、イったのね、イっちゃったのね?」

「イったの? サキ、今、ホントにイったのね?」


 息が上がって答えられない。波のような痙攣が何度も躰を往復する。腰がまた無意識に動き、意識がほんの一瞬霞んだ。


 オルガズムを見られたのに、私の理性はもう麻痺の限界に達して、恥ずかしい思いなど湧いてこなかった。


 このみちゃんと愛理の肩越しに教室の窓がみえる。下半分がミストになって中の様子がぼんやりとしか見えないが、背の高い男子なら、上半分の透明ガラスから悠々と室内を眺めることができるはずだ。


 さっき私たちが侵入して来たドアだって、わずかに隙間ができている。あんなところから覗かれ写真なんか撮られたら来学期から学校になんか来れなくなる。


 私には変な予感があった。もうすぐ誰かが半開きのドアから侵入してきそうな予感。あるいはミストの上の透明なガラスからカメラが差し出され、私とジュンくんの一部始終が撮影されてしまうという予感。


 そんな危機感に脅かされながらも、私の意識はオルガズムの余韻の中でフワフワと漂っていた。


「見たいよ。サキちゃんがジュンくんに全裸にされちゃうところ。すごくすごく見たいの。まれて、められて、つねられて‥‥‥、えーとそれから‥‥‥」


 たどたどしいこのみちゃんを愛理が引き継ぐ。


かれて、チューチュー吸われて、突っ込まれて、奥まで貫かれて、めくら滅法にピストン運動されて、それから‥‥‥」


 今度はこのみちゃんが受け継ぐ。


「奥の奥に発射されて、痙攣して、のけぞって、目を白黒させて、失神しちゃうサキちゃん。そんなサキちゃんを見てみたい! お願い! 見せて!」



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