「最強のラーメン」(8月25日)


「はい、どうもー。シンタマカブリでーす」

「よろしくお願いしまーす。拍手ありがとうございまーす。僕がラーメン大好き進藤で、隣にいるのがラーメン屋でバイトするも三日でクビになり、お笑いの道へ進んでみたら十年以上も芽が出ない玉城です」

「俺の説明だけ妙に長くない? あと十年以上も芽が出てないのはお前も一緒だからね。すんごいデカいブーメランが刺さってるぞ」


「え? マジで? (頭や体を触ってブーメランを探す)」

「物理的なものじゃなくて概念的なアレだから」


「なんだよ、概念的なブーメランって」

「俺にもよく分かんねえけど、そういうもんなんだよ」


「それにしても、あのラーメン屋は不味かった」

「おいおい、やめろって。バイトをクビになった腹いせに悪口言ってるみたいになるだろ」


「塩豚骨ラーメンって書いてあるのに、完全に醬油豚骨だったし」

「それはさすがに注文を聞き間違ったんじゃないか?」


「アレなら僕が作ったラーメンの方が百倍美味しいから」

「いやね。ラーメン作りってそんなに甘くないから。スープを取るのも大変だし、タレを作るのも研究に研究を重ねて」


「研究に研究を重ねたら、塩が醤油味になるのか?」

「オーダーミスの恨みが根深い」


「まあ、僕のラーメンにはそんな研究は要らないけどね」

「なんでだよ。要るだろ研究は」


「じゃん。『うまかっちゃん』」

「出た。ハウス食品さんが誇る九州最強のインタント豚骨ラーメン『うまかっちゃん』」


「まあ、これが美味い。とにかくスープが最高」

「そこについては異論はない」


「次に用意するのがコレ。『即席マルタイラーメン』」

「さらに出た。味のマルタイさんが誇る九州最強の生めんタイプインスタントラーメン通称『マルタイの棒ラーメン』」


「この麺を越えるインスタントラーメンは、いまだ現れていない」

「個人の感想でーす。この人はご当地麺過激派なので許してくださーい」


「あ、うまかっちゃ~ん♪(アッポーペンのリズムで)」

「なんだ、なんだ。突然どうした?」


「あ、棒らーめ~ん♪(パイナッポーペンのリズムで)」

「大丈夫? あとでピコ太郎さんに怒られない?」


「ふん!! これ絶対美味いやつ~♪」

「危ない危ない。今度は日清食品さんに怒られちゃうから」


「ほら。九州最強の豚骨スープと九州最強のストレート麺の合体だぞ。それはもう日本最強ってか世界最強だろ。想像しただけでも美味そうだろ?」

「美味そうだけど、ちょっと物足りないかな」


「は? なんでだよ」

「具がないじゃん」


「具? いいんだよ、そんなもん。ゴマと万能ねぎをちょっと散らして、ぺらっぺらのチャーシューを乗せて、紅ショウガを乗っけておけばいいんだから」

「そこは昔ながらの長浜ラーメンスタイルでいくんだ」


「ヤバいな、これ。もしかしなくても繁盛店のラーメンを生み出してしまった」

「無理無理。さすがにラーメン業界を舐めすぎだって」


「いいや、いけるね。僕は確信した。お笑いやめてラーメン屋になる」

「もしかして今、俺は突然の解散宣告を受けている?」


「いや、解散はしない」

「どういうことだよ」


「僕と一緒にラーメン屋やろう! クビにしたりしないから!」

「絶対ヤダよ。いい加減にしろ」




      【了】




🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤


8月25日は「即席ラーメン記念日」です。

世界初の即席ラーメンである「チキンラーメン」が発売された日です。


朝の連続テレビ小説でやっていた『まんぷく』を思い出します。


さあ。残り6本まできましたよー。

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